去年の今頃は、かがみよかがみに投稿するためのエッセイ(「押し入れで見つけた、サンタに書いたはずの手紙。正体はお母サンタ」)を書いていた。テーマは今私が書いているのと同じ、クリスマスの思い出である。去年と同じことを今年もまたしている。
「part2」募集の文字を見て、「あれから1年経過したんだ!」とエッセイを書いた記憶が蘇った。エッセイを投稿したことも書いた内容も覚えている。それに加えて、書いた時に感じていたことや気持ちさえも記憶していた。

内容は幼少期のクリスマスを振り返るものであった。終盤は大人になってからの自分のクリスマスで締めくくっていた。
「嬉しさはなくてもう年末で今年が終わるんだという虚無感にとらわれる。今年1年間で何か進歩しただろうか、今年の1年間を振り返り反省する。だから、今はクリスマスソングが流れているとどちらかというと憂鬱になる」と書いていた。
とてもネガティブな印象を受ける。だが、これを書いたことで一つ、今までしてこなかったことに挑戦できた。

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去年のクリスマスの出来事も覚えている。なんてことない日常を送ったのに、クリスマスということでか、ちゃんと記憶していた。
通常通り出勤し、晩御飯を買いに帰り道にスーパーに寄った。
スーパーで商品を眺めているとケーキが目に入ってきた。
「美味しそうだしクリスマスだし!買おうかな!」と思ったものの、私には値段が少しだけ高く感じた。
はっきりとは覚えてないが、400円弱だった気がする。悩んだ結果買うのをやめた。普通のお菓子のほうが安く買える気がして、もったいなく感じて手が止まった。

現在2022年のクリスマスシーズン。コンビニのケーキの広告を目にする機会が多い。
これはめちゃめちゃかわいいと思ったケーキの値段は、約4700円だった。
ジェラートピケの熊のケーキだ。かわいいものがとても好きという訳じゃない私が見ても、本当にかわいいと思えた。色味も良い。私にとっては高い値段だが、その値段が妥当であると思える見栄えの良さである。
どんな人がこのケーキを購入するのだろう?そもそも自分で買う用ではなくて女性が男性に買ってもらうケーキなのだろうか。リア充の可愛い人が誰かと一緒に食べるケーキで、非リアの残念なお一人様が口にするケーキではないかもだ。

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人間の心理は面白い。4700円のケーキを見ると、不思議と去年買わなかった400円のケーキがとても安く感じた。10分の1以下の価格である。ご縁がなかったあのケーキを今年こそは買おうかなと思えてきた。
普通のお菓子と比較するとやや高いが、四季を感じる値段が含まれていると考えたら、案外コスパが良いのかもしれない。

クリスマスからずれるが、今年の節分も恵方巻きを見かけて買おうか迷ったが、同じく結局高く感じていつも通り普通のご飯を購入した。
貧困というと大袈裟だが、収入の問題で四季からずれた生活を送っている。

4700円のケーキは手が届かない存在であるが、せめて400円のケーキを躊躇なく買えるように生活水準をあげたい。
ここに書き込むことで来年の自分の進歩に繋がることを願う。