先日、21歳になった。もとい誕生日を迎えた。しかし21歳の誕生日は、最悪な出来事をもってしてスタートを切った。

虫歯を見つけたのだ。12月某日、23:30、誕生日当日の30分前だ。
なんか歯に違和感があると思い、鏡で奥を確認すると一部が黒くなっていた。
虫歯なんて見つけるのは10年ぶりで、最初は汚れだと思い、歯ブラシで擦ってみたりもしたがあえなく撃沈。虫歯発見の衝撃を食らっている最中に0時になり、友人たちから「Happy birthday‼」のメッセージを受け取った。まったくもってハッピーではない。

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なぜこんなことになったのか。原因は様々あるだろうが、第一に定期メンテナンスを怠っていたことが挙げられる。
人間、どこか不調が見つかってからでないと病院には行きたくないもので、私も例外なく、歯に対しての危機感が皆無だった。最後に歯医者に行ったのは上京する直前だから3年前だろうか。いつ行ったかも曖昧になるくらいには行っていない。
最後に行った歯医者で「最低でも半年に一度はメンテナンスした方がいいです」と言われたことが、今になって神のお告げのように思い出される。

しかし、仕方がないことだとも思うのだ。健康診断も同様だが、万が一のリスクに備えて病院に行き、何千円を払うのは少々気が引ける。スマホだって壊れてから初めてお金を払って修理してもらうだろう。
不調もないのに「もしも」のために何千円を払うことに、どうしても前向きになれない。今回の虫歯も、「定期メンテナンスしておけば」と後悔する反面、「なるべくしてなった」と受け入れている自分もいる。

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話は変わるが、私は早く脱毛に行きたい。何も気にせず、ノースリーブやミニスカートを着たい。年が明ければあっという間に夏が来る。全身の毛を無くすため、たった6回の医療脱毛にかかる金額は30~40万が相場だそうだ。……“毛を剃る”という文化が根付いた現代が憎い。

百万円があったらどうするか、私の答えは言わずもがな「自分磨き」だ。
小学生の頃は「旅行」や「欲しいものを買う」、「貯金」なんて答えたりもしていたが、今の答えが「自己投資」に値することが、自分が大人になったことを実感させる。
半年に1回の歯の定期メンテナンスに何千円を払うことに対して怯んでしまうのは、少なからずお金に余裕を感じていないからだ。
百万円あったらまず、歯のメンテナンス(クリーニングもしたい)、脱毛、整体に行きたい。余ったお金で髪のトリートメントやネイルサロン、一風変わっていつか行ってみたいスペインのためにスペイン語教室なんかにも通おうか。
百万円はぜんぶ自分のために使う。旅行や買い物もいいが、「自分に付随していつまでも残ってくれる財産」のために使う。迷いなく使う。先が見えない現代、貯金や投資なんかしても賭けでしかないと考えている私にとっては、これが一番賢い百万円の使い方だと思っている。

余談だが、今回の私の誕生日、友人の一人から“歯医者代”をプレゼントしてもらった。一番色気のないプレゼントだが、一番面白くて、一番“実用的な”プレゼントだった。