中学1年生のとき、クラスで孤立していた私を気にかけてくれたクラスメイトの意志を尊重できなかったことを、未だに悔やんでいる。

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中学1年生のとき、夏休み明けのある日を境目に、それまで一緒にいた友達に無視されるようになり、そのグループから離れた。
無視されることと同じぐらい一人でいることも辛かったので、別のグループに入ろうとしたが、仲間に入れてもらえず、クラスで孤立した経験がある。
陰口を言われるのも気分が悪いが、目の前で明らかに自分の悪口を言っているのを聞くことも、いない人間として扱われているようで精神的に辛かった。

そんな私が当時一番恐れていたことは、グループでの課題だ。ペアを作る授業しかり、グループでの活動は、一緒に組んでくる人を探すことが何よりも大変だ。
クラスで浮いている私を意図的に外す動きも見えていたので、誰かのグループに入ることも申し訳ないなと思っていた。
もし私を受け入れてくれたグループがあれば、グループで邪魔をしないことを大前提に動かなければならなかった。
みんなが嫌がる役回りを担うことも多かったことを覚えている。グループに入れてくれるだけでありがたかったので、進んで引き受けた。
今振り返ってみると、自分の軸がなく未熟だなと感じるが、当時は孤立しないことに本当に必死であった。

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国語だったか理科だったか、はたまた別の教科だったか忘れてしまったが、ある授業のグループ課題で、テーマに沿った作品を自由に作り、最終的にクラス全員の前で発表するイベントがあった。
グループでの課題であったため、ちゃんとグループに入れるかどうか不安に思っていたのだが、いつも私を気にかけてくれていたAちゃんが、同じグループに入らないかと誘ってくれた。
そのチームの他のメンバーには、グループが大きすぎて分割されたイケイケグループの子がいた。
基本的に、チームワークはAちゃんがリーダーとなって和気あいあいと進められた。
ところが発表の当日数時間前に、Aちゃんが体調不良で保健室に行ってしまった。
「発表の時間が近づいて来たら、呼びに来てほしい」と言われていたのに、残りのグループメンバーで、しんどそうなAちゃんを駆り出すのはいかがなものかという話になり、Aちゃんなしで発表を終わらせてしまった。

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事前の段階では先生からも高評価をもらっていたので、クラスでの優秀賞獲得も間違いないかと思っていたが、結果は賞には届かなかった。
保健室から戻ってきて、結果を聞いたであろうAちゃんに悪いことをしたなと思い、とても苦い気持ちになったのだが、保健室に呼びに行かなかったことを謝る言葉が喉元まで出かかって言えず仕舞いになってしまった。

もしAちゃんを呼びに行って、Aちゃんも一緒に発表していれば、優秀賞をもらえていたかもしれない。そのように思うと、本当に申し訳ないことをしたなと思った。
たくさんのペアでの課題や、グループワークでの孤立を救ってもらったにも関わらず、恩を仇で返す形になってしまったことを謝りたい。
そしてAちゃんには、孤立していた心の支えになっていたことの感謝の意も伝えたい。