私は、どこから間違えてしまったのだろう。

「人生一度きり、悔いのない人生に」なんて言葉はSNSでよく目にする。
特に、非行に走ったわけでもなく警察沙汰になった経験があるわけでもなく、ごくごく普通に生きてきたけれど、過去を振り返っては考える。

学生ブランドを卒業し、親の手を離れてからは父には「あとはジジが好きなことを好きなようにやりなさい」と言われてきた。
その言葉に甘えて、いろんな経験をさせてもらった。
急に仕事を辞めた報告をしたり、上京することを勝手に決めたり、上京したと思ったらすぐ戻ってきたり、異性と外泊禁止だったけれど当時の彼とお泊り旅行に行ったり、彼の家に入り浸って家に帰らなくなったり、数えきれないくらいの事をして両親を困らせた。
時には怒られたりもしたけれど、カンカンに怒鳴られたことは一度もなかった。
羽目を外しすぎた、若気の至りでもあろうか。過去を振り返ってみては、後悔することが増えた。

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そんな時に出会ったのが、「かがみよかがみ」 のエッセイだった。
初めてこのサイトを見つけたときは、ワクワクしたのを覚えている。
元々、小説などを読むことが好きだったので、皆さんの実体験を読ませて頂いて、想像したり、共感したり、考えたりすることが好きだった
読んでいく度に私もエッセイを投稿してみたいと思う気持ちが強くなって、パソコンを開くことがあった。
いざ書くとなると、読んでいる方からしたらどういう書き方をしたら読みやすいのか、読んでいて楽しいと思ってもらえるのかなどを考えたら何度もパソコンを閉じた。
書く才能は無いのだと思い、読む側でいようと思った。

去年の春、エッセイ募集の記事を見つけた。
「忘れられない街」これを見た瞬間、書きたい衝動にかられた。
興奮が収まる前にと、パソコンを開くと、スラスラかけた。
書いた後は、もう一度読み直し構成を変えたり試行錯誤を繰り返して完成したエッセイが「3ヶ月で終わった都会暮らしは、私にとって大きな財産になった」だ。
採用されたら来る、エッセイフィードバック。この一番最後に毎回ついてくる編集者の方のコメントが楽しみだったりもする。

初めて配信された自分の記事を見たとき、言葉では表しきれない程の何かを感じた。
頑張って言葉で表現するなら、自然に囲まれた神社を見た時のような、真夏の暑い季節に大きな滝を見に行って涼むような、波の音を聞きながら海辺に座っている時のような感覚。
一言で表すなら「浄化」。そう、浄化かもしれない。
思っていた事を外に出せずに、自分の中に閉じ込めていたものが、言葉や文章にして書き出して心の整理がついた時、スカッとした。

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この23年間の中で一番心に引っかかっていた、上京してすぐ帰ってきてしまった事。
ずっと後悔していたけれど、エッセイを通して浄化したら、今ではいい経験だったなと前向きに思えるようになった。
それから、その感覚が忘れられなくて定期的にエッセイを書くようになった。

私が書いたエッセイを読んでもらえることは嬉しいし、時にはコメントを頂けると励みになるのはもちろんの事だけれど、密かに心の浄化をするためにエッセイで文章を書いて人生前向きに進んでいます!