こんにちは、愛が重い女です。
何を愛しているかって?もちろんあの子とあの子とあの子とあの子とあの子。大好きな友だちが何人もいて、困ってるんです。
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友だちが好きすぎる。常に頭の中の少なくとも4割は友だちのこと。
来週あの子と遊ぶ時、何着て行こうかな。スーパーで見かけた新発売のお菓子、あの子が好きそうだな。そろそろあの子を家に呼びたいから、部屋の模様替えでもしようかな。早く仕事終わらせて、あの子にメッセージ返したいな。こないだ言われたあの言葉、嬉しかったな。旅行した時のあの子の写真、何回見てもかわいいな。
恋じゃないけど、限りなく恋に近い。
友だちが好きすぎるのが私の特性。でももう一つ特性がある。気を使い過ぎること。おそらく原因は自己肯定感がいびつなところにあるのだが、これが膨らみ過ぎた友愛の足枷となっているのだ。
例えば休みの日。穏やかな昼下がり、誰かと話したい。誰でもいいわけじゃない。大好きなあの子に、電話をかけたくなる。
通話ボタンをタップしたい衝動は、衝動のまま前に進んではくれない。もしかしたら予定があるかもしれない、何か大切な用事をしている最中かもしれない、出先での突然の着信にびっくりさせてしまうかもしれない。思いやり、気遣う気持ちが脳内を駆け巡り、やがてそれは「迷惑かも」という要らぬネガティブに昇華してしまう。
そしていつも、後から答え合わせをしては後悔をする。「え〜!あの時暇だったの。電話すればよかった!」と。
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重い愛をいくつも抱えていれば、やがて沈んで溺れてしまう。錘は持ちきれなくなる前に手放して、息を吸わなければ。
やり方はこうだ。まず紙とボールペンを用意する。紙はファンシーなレターセットよりも、たくさん書ける便箋やルーズリーフが好ましい。ボールペンは黒とか紺とか、深めの色だとクラシカルな印象でおしゃれだ。
次にカフェとかファミレスに行く。チェーン店だと尚良し。そういうお店の椅子と机は大抵、書き物をするのにぴったりだからだ。さらに空いていれば集中力も格段にアップする。
環境が整えば後は心のままに、頭に次々に立ち昇る言葉を並べていく。先日会った事へのお礼、次に一緒に行きたい場所、自分の近況、その子の好きなところ。
書く内容が決まっていないのが手紙の良いところ。気軽に書いていいのだ。手紙には着信音もなければ、通話時間で相手の暇を奪うこともないのだから。
もちろん書けたら封筒にいれて投函する。私の言葉は84円で旅に出る。
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時間の選択が相手にある、ということは何よりの安心材料だ。いつ読むか、読まないか、返事の有無も、相手次第。電話よりもその選択が自由に感じるのだ。
どんなにたくさん話してもたかが紙。軽くて薄くて便利なこのツールを使って、あの子にもあの子にも話がしたい。思いとおしゃべりが止まらない私の愛を伝える方法。
好きだから電話ができないけど、好きだから手紙を書くね。ではまた。