特集:好きだから好きだけど

私の一部のように愛しい息子だから意識したい。「私たちは別人格」と

好きだから好きだけど

好きだから好きだけど

この特集の記事一覧へ

私には昨年の冬に生まれた、生後3ヶ月の息子がいる。それはそれはもう大好きである。
もともと子どもは苦手だったはずなのに、自分の子どもとなると別だ。日に日に可愛さが増す。おにぎりみたいなぷくぷくの顔がニコーッと笑うと、どんなに疲れていてもつられて笑ってしまう。まあるいお腹も、ふにふにの太ももも触るだけで癒される。夫に息子を預けて、一人で少し買い物に出ただけで、今何してるかなあと恋しくなる。赤ちゃんってすごい。

◎          ◎

しかし、不思議である。
彼は約10ヶ月の間、私のお腹の中にいた。私の体の一部のような感覚だった。本当にこのお腹の中に赤ちゃんがいるのか?とさえ思った。だから出産したときは、立派な赤ちゃんが出てきて驚いた。
生まれてきてからも毎日ほぼ母乳を飲んでいる。私から生まれて、私から作られたものを飲んでいるのだ。何だかまだ私の一部のような、私で構成されているような、そういう感覚が少しだけ残る。
でも、確実に息子は私とは別人格の、一人の人間なのである。もう少し大きくなったとき、同じ景色を見ても違うことを思うだろうし、同じ食べ物を食べても、味覚は違うだろう。

この、私と息子は別人格であるということを、これから先ずっと忘れてはいけないと思う。
私の父親はそれがちょっと曖昧で、自身の学歴コンプレックスを私や弟が和らげることを望んでいた。子どもの人生が上手くいくように操縦したがった。
父親に悪気はない。子どもに対する愛ゆえである。自分の人生の反省点を、子どもの人生で活かせば、自分よりいい人生を歩めるだろうと無意識に思っていたのだろう。
でも、そう簡単にはいかない。親と子は確実に別の人間で、何が「いい」人生かは、それぞれ思うことが違う。自分の人生の反省点は、自分の人生でしか活かされないのだ。

◎          ◎

だから、私は意識して自分と息子を切り離したい。私は本を読むのが好きだけれど、息子は読書が嫌いでも別にいい。私は子どものサッカーの試合の応援をするママに憧れがあるけれど、息子はピアノを弾いてもいいし、ゲームにはまってもいい。どの高校や大学に行くか、そもそも進学するか否かも自由だ。
もちろん、息子が悩んだり、助言を求めるようなことがあったら一生懸命手助けをするつもりだ。でも、なるべく親の価値観や好みで彼の人生を左右しないようにしたい。自分で自分の道を決め、歩めるようになってほしい。
息子のことが大好きだからこそ、別の人間として、しっかり境界線を引いて接していきたい。子どもは親の所有物ではないし、子どものステータスは親のステータスではないと肝に銘じておきたい。

◎          ◎

とは言えど、息子はまだ0歳の赤ちゃんである。私好みの星柄のシーツの上で、私が可愛いと思ったクマちゃんの服を着て、今隣でスースー寝息を立てながら寝ている。
あとどのくらい「パパとママの」赤ちゃんでいてくれるだろうか。いつかひとりで歩いて行くことを思うと、ちょっと寂しい。気が早いかな?

この記事をシェア

あなたもエッセイを投稿しませんか

恋愛、就活、見た目、コミュニケーション、家族……。
コンプレックスをテーマにしたエッセイを自由に書いてください。

詳細を見る

contact us

かがみよかがみのソーシャルメディアのアカウントです。ぜひフォローして、最新情報をチェックしてください。

あなたもエッセイを投稿しませんか

恋愛、就活、見た目、コミュニケーション、家族……。
コンプレックスをテーマにしたエッセイを自由に書いてください。

詳細を見る

かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。

メンバー 検索 Facebook Instagram LINE Mail Mail Magazine Twitter Web Site YouTube