未来の私は兎を捕まえられているだろうか。そう思うのは、「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉があるのにもかかわらず何兎も追いかけている、22歳の通信制大学4年生。
私は今、心理職を目指す大学生、ライター活動、投資家、教育業界での仕事、兼業主婦の五兎を追いかけている。そんな私は将来、兎を捕まえることができているのだろうか。

そもそも、兎を捕まえるという表現はゴールがわかりやすいが、実際はどこまで行けば兎を手に入れたことになるのか明確でない。年を重ねるごとに追いかける兎の数が増えるだけで、死ぬまで一兎も手に入らないのかもしれない。そんな感覚にも陥る。
原因は、追いかけるものをアバウトにしか決めてないからだ。これを機に私は、追いかける目標を明確にしていきたい。

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まずは、心理職を目指す大学生という兎。
たぶん私は今、兎の群れを追いかけている。群れの中には、心理職という兎、大学卒業という兎、大学院試験という兎、資格試験という兎……。数え始めたらきりがないほどの兎の大群を追いかけている。
これがまさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」という状態。改善しないことには一兎も捕まえられないだろう。仕留める順番や、狙いを定めた兎を捕まえる作戦を練らなくてはならない。だからこそ、私は目標を細かくタスクリストに書き上げることにした。
まずは大学卒業のために、卒業研究という兎を捕まえることにする。戦略はまず先行研究をリサーチすることとする。こうして一兎ずつ確実に捕まえて、いずれはこの大群すべての兎を捕まえる作戦だ。

次にライター活動という兎。これは、いつになるかはわからないけれど、時間が解決してくれそうな気がしている。なぜなら、私は『プロの作家とは、書くことをやめなかったアマチュアのことである』(リチャード・バック)という言葉をライター活動の信念にしているからだ。
だから、あとは書くことをやめない覚悟を持ち、日々作品を綴るだけだと思う。結果として、いつの日か兎を捕まえることができるだろう。

投資家としての兎はわかりやすい。シンプルに目標金額を手に入れることができればこの兎は手に入る。そのためにも、勉強を怠ることなく、世界情勢をチェックしていこうと思う。
そして、兎を捕まえられたら、もう一兎捕まえるために新たな目標金額を設定するのも良いし、別の兎を追いかけ始めても良いと思う。

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そして、教育業界での仕事の兎。投資家と同様、報酬の額をゴールに設定するのは簡単だ。だけど、私は報酬の額をゴールに働いているわけではない。
ここで私が求めているものは、私自身の学びと心理職として生かせること。アバウトな目標だからこそ、どう兎をハンティングするのか悩ませる。
だがよくよく考えると、遠くの目標にばかり目が行っていることに気がついた。もっと近くの目標を見つめてみると、授業満足度を上げること、生徒たちが笑顔で次のステップに進むことが私の目指していることだ。そう思うと、私は授業ごとに兎を捕まえることができているのかもしれない。

最後に、兼業主婦としての兎。改めて考えようとすると、「まず主婦の目標ってなんだ……?」という疑問が湧いてきた。
家計を黒字にすることなのか、それとも、家事を完璧にこなすことなのか、何がゴールなのかわからない。何を追いかけているのかわからないものは捕まえようがない。
そんな状態だから「未来の私は兎を捕まえられているだろうか」と不安を感じたのだろう。私の不安の奥底にあったものは、主婦として先が見えていないことだったのだ。

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それを踏まえて自分への問いかけ方を変えてみた。
「主婦としてどうなりたい?」だとピンとこなかったけれど、「どんな家庭を築きたい?」と聞かれるとなんとなく答えが見えそうだ。
私は「お互いを尊重しあえる家庭を築きたい」と答える。私は私のやりたい仕事や働き方をするし、パートナーもやりたいことをしてほしい。どちらかの妥協で成り立つ家庭は嫌だと思う。
二人が妥協することのない家庭を築きたい。それをかなえることが兼業主婦としての目標だ。

未来の私はきっとたくさんの兎を捕まえられている。これを機に、自分の目標を見つめなおしたあなたも、未来でたくさんの兎を捕まえられていると思う。