「私たち、何がきっかけで仲良くなったっけ?」
小学校時代からの友人Aちゃんと会うたび、必ずといっていいほど仲良くなったきっかけについて思いを馳せる。中学に上がった頃にはこの話をしていたような。きっと本当に些細なことだったに違いない。
それでも、10年以上続く彼女との縁を作ってくれたのはその小さなきっかけだろうから、今日も二人で仲良くなったあの頃の話をする。

Aちゃんと出会ったのは小学3年生の時である。そのころ私は担任の先生の、いわゆる“追っかけ”をしていた。
その先生は当時新任教員で、初めて受け持ったクラスが私とAちゃんのいるクラスだった。今思えばどうしてそんなことをしていたのか疑問だが、とにかくその先生が大好きで、恥ずかしい話、トイレの前で出待ちするというストーカーっぷりを発揮していた。
ところが、学年が上がる前には先生ではなくAちゃんといるようになっていた。きっかけは本当に分からないが、当時流行していた交換日記の日付が小学3年生の冬だったことから、少なくともこの頃には仲良くなっていたと思う。
うーん、本当にいつ仲良くなったのか。これからも私たちのきっかけ探しはつづく。

サバサバ女子の親友Aちゃんと、周りの顔色を伺ってばかりの私

ここでAちゃんについて少し話をしたい。
Aちゃんは一言でいうと“サバサバ女子”である。好き嫌いがはっきりしていて、運動神経がよくて、運動会で女子にキャーキャー騒がれるような、そんなタイプ。
対して私は、運動が苦手で、常に周りの顔色ばっかり窺っている。
彼女がどうしてそんな私と一緒にいてくれるのか、中学生の頃ふと疑問に感じ、彼女に質問したことがある。

「ねえ、うちらいつも一緒にいるじゃん」
「うん、クラス離れたけどマジで昼休みとか毎日いるよね」
「Aちゃんとうち性格とか正反対だと思うけど、なんで一緒にいるんやろ」
「うーん、考えたことないわ」
「今までうちがしたいこと言うばっかりだし、否定されたこともないし。正直どうなん?」
「んー......。今までいやって思ったことないから、それがすべてじゃない?わからんけど」

この返しである。やるな、親友。
よっぽど嬉しかったのか、この時のことは今でも鮮明に覚えているし、当時の私の喜びようを嫌というほどAちゃんに語っている。そろそろしつこいって愛想つかされるかも。
そんなこんなで中学卒業を期に離れたAちゃんとは今でも遊ぶ仲であり、最近知ったことだが、Aちゃんも私と同様、地元の友だちで今も会うのは私だけだという。

二次会は、2人きりで。ちょっぴり脂がのった成人式の思い出

一昨年あった成人式で、久しぶりに地元の友達に会った。小学校時代の友達が酒瓶を持っていたり、初恋の人が声を掛けてくれてちょっぴりドキドキしたり。
成人式終わり、昔馴染みの友人たちと一通り写真を撮った後、みんなで二次会に......、ではなく、私とAちゃんはなんと2人で王将に行き、ラーメンをすすっていた。その時の面白さったらたまらない。
「なんでうちらこんなことになってるん」
「あー、今頃みんな華やかな二次会行ってるんやろか」
そんなことを言いながらズーズー麺をすすり、餃子を平らげていた。写真を撮るのも忘れ、なんならキムチラーメンという成人式の煌びやかさとは恐ろしく離れたメニューを食べていた気がする。
まあ、私達らしいか。これはこれでいい思い出である。ちょっぴり脂がのった成人式の思い出も悪くないだろう。

ん、待てよ。「推したい友人」というテーマにもかかわらず、Aちゃんのすごさがほんの1ミリ、いや、それすら伝えられなかった気がする。ごめん、Aちゃん。
Aちゃんの素晴らしさは次会った時にでも熱弁させてもらおう。
人生で親友と呼べる人と出会える確率は24億分の1という説がある。気が遠くなるような格率で出会ってくれた親友が、これからも私の隣で笑ってくれますように。