本当は1人ひとり、個人にお礼が言いたい。
それが私の想い。

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2018年度と2021年度にミスコンで選ばれてから、私は多くの方々と出会った。そしてたくさんのカメラマンさんに写真を撮ってもらった。その人たちとは、特に深い会話をすることもなく、撮る側撮られる側として、ある程度の距離感を保って活動していた。

そのため、カメラマンさんは、はっきりと名前を名乗ることなく、撮影会が終わるとさっと帰っていく。
でも、名乗ることなくたくさん写真を撮ってくれたり、わざわざ現像してくれたりするカメラマンさんが複数いた。

モデルの被写体としての任期が終わる前に、お礼が言いたい!そう思ったが、毎回撮影会のたびに来るわけでもなく、コロナ禍で撮影会が多く中止になってしまい、任期中の最後の撮影会では、挨拶することなく、自由解散となってしまい、何も言えずに終わってしまった。
コロナの影響で撮影会に参加できなかったことも、心残りだったが、それ以上に、カメラマンさんにお礼を言えなかったことが、もっと心残りになった。

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そして、今、名前がわからないが、すごくお礼を言いたい人たちがいる。
かがみよかがみの編集部さんたちだ。
私がエッセイを書き始めて2年と数ヶ月……毎週エッセイを投稿する私を見守ってくれていた。

採用された際には、ステキな感想をくれた。文章の書き方のアドバイスや、印象に残った文章への温かいコメント、共感ポイントなども細かく書いてもらった。その感想を読んでいると、とても嬉しい気持ちになった。仕事で疲れた時も、採用のお知らせの通知が来ると、仕事の休憩時間に感想コメントを真っ先に読み、休憩後の仕事も頑張ろうと思えた。弱っている私を励ましてくれたのだ。

エッセイ採用の感想コメントは、時に私の胸を熱くし、心を掴み、これからも書き続けたいと思わせてくれた。
かがみよかがみのエッセイ投稿を通じて、文章を書く楽しさと、共感してもらえる喜びを、そして自分の思いを伝える勇気をもらった。

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自分の思いを曝け出すことは、非難されるんじゃないか。否定されるんじゃないかと、私を躊躇させてしまっていた感情も、かがみよかがみだったから発信することができた。心の中に仕舞い込んでいた想いも、かがみよかがみだったから言葉にすることができた。

私にとってかがみよかがみは、人生の一部を形成するものとなった。

だから私は、私の人生を鮮やかにしてくれた、かがみよかがみの編集部の人たち、1人ひとりにお礼が言いたい。感想のコメントをくださった1人ひとりに、お礼を言いたい。エッセイごとに、感想の書き方が違ったので、多くの編集部の方が私のエッセイの読んでていたと確信している。
そして、読むだけではなく、自分の考えや思いと照らし合わせ温かいコメントも書いてくれた。
本当にありがたいことだった。同じ気持ちだったんですねって言葉を交わしたい。

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名前がわからないから、直接お礼を言えない。
名前がわからないから、感謝の気持ちを伝えられない。
名前がわかれば、「ありがとう」と直接伝えたい。
私のことを、温かく見守ってくれてありがとう。

もっと欲を言えば、エッセイを読んでくださった方にも、1人ひとりお礼を言いたい。読んでくれてありがとうと言いたい。

もどかしい。
自分の思いや気持ちを幅広く発信するツールはあるけれど、それは不特定多数の人に向けたものが多く、なかなか個人には伝えられない。
でも、私は、名前がわかれば1人ひとり向き合って、その人個人にお礼が言いたい。
みんなありがとうではなく、あなたにありがとうを言いたい。

いつか名前がわかれば、1人ひとり、私の思いを伝えたい。