今年も、あの熱い夏がやってくる。この夏は久しぶりの花火大会や夏祭りがあって、浴衣を着ることが復活する。まだ花火大会に行く予定は立てていないけれど、その前に七夕があることを思い出して、夏に向けて今年一年の願いを託さなきゃと慌てているところだ。
「今年も元気でいられますように。」これは私が短冊に書きがちな願いであるが、2023年の夏は、いつもとは違う夢が膨らみそうな願い事をしてみたい。
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去年の秋に二十歳になって初めての七夕。これまで、楽しいこと、苦しいこと、悲しいこと、信じられないくらい沢山経験してきたからこそ、叶えたい願いがある。もう子供には戻れないけれど、幼少期の頃のような無邪気さをまた手に入れたくなってきた。
「アンパンマンになりたい」と願ったあの頃とは、すっかり現実思考の大人になりつつあるとしても、「この幸せが永遠に続きますように」とお姫様になりきって夢を追うことは許されるはずだ。といっても、まだ私の目の前に王子様は現れないけれど。「まだ」と期待している自分にも少し呆れてしまうこともある。その夢が、もしかしたら七夕で叶うかもしれない。そんな淡い期待は二十歳になっても、心の奥底にずっしりと抱いてある。
あのとき花火大会の屋台で食べた綿あめを、美味しいと思ったしレインボーカラーのフワフワを「可愛い」と感じた。この綿あめの、フワフワに夢を乗せたくなった。空を見上げれば花火がとめどなく打ち上げられていて、握りしめた綿あめが夢色をして私に微笑みかけているようだった。これは、世界中の女の子の夢を詰め合わせたお菓子なのかもしれない。きっとレインボーには無限大の可能性を秘めた夢があるし、ユニコーンの角みたいに願えば願うほど、夢に近づいていく。そんな希望溢れる未来を、綿あめを食べながら夢見ていた私は、少しだけ暑苦しくて眠れない夏を好きになった気がした。
七夕は夏の訪れとともにやってくる。綿あめのレインボーと、それぞれ夢を託した色とりどりの短冊は、どちらも無限大の可能性を秘めているようで眺めているだけでワクワクしてくる。そんな短冊に、どんな願いを刻むか楽しみだ。このレインボーが子供の夢も、大人になってから新しく叶えたい夢を乗せて、私たちに永遠の幸せを約束してくれることを信じたい。
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レインボーのなかでもターコイズブルーは夏らしさを強調させ、夏を迎えたのだなあと思わせてくれる色である。今年は、夏らしく水着を着て海に飛び込んでみたい欲が湧いてきた。陽に焼けてみるのもよし、砂浜で遊び転げるのも青春真っ盛りで心地よさそうだ。やっぱり今年は、夢を見てどれだけ暑さを吹き飛ばせるかを勝負してみたい。誰と勝負するかというよりは、自分の体力試しをするという意味合いになる。そろそろ淡路島の海が恋しくなってきたし、子供に戻って遊ぶのも無心になれて逆に鬱々とした気分も吹っ飛ぶかもしれない。そう思う今は特に何もかもポジティブに生きる夏は、長いようであっという間に終わりそうだ。海水浴場で遊ぶのも小学生以来だし、二十歳になったけど理想が高すぎて彼氏がいない寂しい夏だと悲観的には思いたくなくて、「いくつになっても可愛いものが好き」と堂々としていられる私を受け入れてくれる人に出逢えることを願って、夏に飛び込みたい。
暑い夏を快適に過ごす。それは、大人になった今も難しく中々実現することはないからこそ、「ゆめかわ」な世界を夢見て生きていきたいと願うのだ。いくつになっても、毎年違う夏がやってきてくる。だから、夏は面白い。二十歳の夏は、暑さに負けないくらい何に対しても「好き」でいることの楽しさを体感したい。