森の中にある別荘からは、大きな澄んだ湖がある。
それを眺めながら、夫とバルコニーでコーヒーを飲む。
犬や猫と戯れ、本を読み、
ゆったりとした時間を過ごす。
今が何時かなんて気にしない。
ただ目の前の自然、夫、動物、本とだけコミュニケーションをとる。

◎          ◎

1ヶ月くらいそこに滞在し、気になっていたものはお取り寄せして、美味しいを共有する。
私は食に興味がある、食いしん坊だ。
だから全国、いや世界各地から、日頃目をつけていた食べ物を一気に注文するのだ。
1人では食べきれないから、夫と共に。

食べてばかりでは太ってしまう。
だから森を散策する。
1人の時もあれば、犬猫と、夫と、はたまたみんなと一緒に。
散歩だけではカロリーが消費できないから、今はWi-Fiさえつなげればどこでも動画が見れる。
それでヨガやストレッチ、筋トレをする

よく休日で自然の中にいるのであれば、電子機器を使わない方がゆっくり過ごせるのではという声もあるが、それも確かに良い。
それが今の時代、限りなく貴重な時間になると思うから。
しかし、私はお取り寄せもしたいし、もしかしたら急にどこかに行きたくなったり、何か調べたくなったり、お笑いが見たくなったりするかもしれない。
だから私にとって、よりこの期間を最高にするために必要なのだ。

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どこか行きたくなったら、すぐに飛行機や車を手配し、夫と共に旅立つ。
犬猫はお留守番。動物可の所の場合は連れていく。

一緒に見たことのない風景や体験を共有し、別荘に帰って来て共有する。
たくさん撮った写真を基に会話が弾み、
「また行きたいね」
「次はどこへ行こうか」
と次の計画をする。

夫と一緒に旅したい理由は、美しいと感じた景色を共有したいため。
1人旅が好きで、1人で好きなように観光して、食べてきたが、
ここ最近、一緒に感動を共有できないことに寂しさを感じるようになってきた。
歳なのか理由はわからない。
ただ、同じ思い出を共有したいのだ。

犬猫は、私にとって癒し。もふもふしたい。これに尽きる。

本は仕事をしていると、疲れ果ててなかなか読むことに意識がいかない。
時間の使い方が下手なのかもしれない。
でも読み始めたら一気に読んで、その作品の余韻に浸りたいから
誰にも邪魔されない静かな所で、時に自然の中で、時にベッドの上で、時にソファの上で
好きな所で読みたい。

これを1ヶ月の内にする。
これが私の「理想のオフの過ごし方」だ。

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現実的に考えたら、今現在、この理想には1ミリも掠っていない。
私の理想のオフの過ごし方は、まず場所を特定するのに時間がかかりそうだ。

1人旅をする度に、この理想に合う場所はないか探すこともある。
だが、やはり理想。なかなかない。
たまに写真や映像で似た所が出てくる時もあるが、参考になるだけで、違うのだ。

それに私はまだ結婚してもいないし、ペットを飼った事もない。
お取り寄せや行きたい時に旅行に行ったりするお金もなければ、1ヶ月も仕事をしないという期間を設ける事自体、今は無理な話。
仕事が忙しいのではなく、仕事しない期間があっても生活できる貯蓄がないという事だ。

だけど、まだその理想を叶えられる機会はまだ何十年もある、と信じている。
もしかしたら明日死ぬかもしれないし、寝たきりになったり目が見えなくなったりするかもしれない。
だからこそ、その理想を叶えるための準備をしつつ、後悔のない生活をしていきたいと思う。