浮気や不倫に対して、一方的に浮気や不倫をした人を叩くコメントを見ると、私は複雑な気持ちになる。確かに、ただ性欲を満たすために手を出し続ける人は良くないと思う。一方で、もし心が奪われていたら？お互いの存在がパートナーでは満たせない承認欲求を満たしており、なくてはならない存在だったらどうだろうか。

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高校時代、女友達がそういう不倫をしていた。
その友達は相手の妻より自分の方がその相手を好きな自信があるとはっきり言っていたし、行動でも示していた。例えば相手の趣味を自分も好きになってイベントに一緒に参加したり、まめに連絡を取ったり、好きなものを聞いて差し入れしたり。

自分の魅力をアピールするのではなく、相手の理解者になるというアプローチ方法だった。そのうちに、相手にとってその友達がいないとダメな存在になっていって、友達と相手、その妻の関係のバランスが崩れたことで終わったと聞いている。

世間から見たら私の友達は悪い女だ。相手の妻からしたら、若い女にひっかかったと思っているかもしれない。だけど、その子のアプローチは単なる色仕掛けではない。相手から見たらその子は、相手にとっての何かしらの救いになっていたのではないか？ 

「都合のいい女だってなろうと思ってなれるわけじゃない」とその子は言っていた。好きな人に好かれるための努力を欠かさないその子と、恋愛したいけど出会いがないと嘆いているだけで行動しない人達、どちらを応援したいと思うだろうか。少なくとも、私はその子のことを嫌いになれなかったし、友達として表では「絶対やめた方がいいよ」と言いつつ、正直心の奥の方ではまっすぐな行動を尊敬していた。

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私は学生時代既婚者との接点はそこまで多くなかったが、たしかに、就職して社会に出てみて、既婚者でも「自分を理解してもらいたい」という欲求が満たされていない人はたくさんいる。もちろんパートナーがそのすべてを受け止めるべきとは思わないが、バランスを崩して不倫や浮気の関係になってしまう人もいるのではないだろうか。

最近久しぶりにその友達に会ったので、「職場の人間関係は壊さないようにね」と言ったら、まじめな顔で、「良いなと思う人を作ってしまったら職場の人間関係を壊してしまうから、普段そういう感情を持たないように努力している」と言っていた。多分、その子からしたら、人が理解してもらいたいと思っているポイントを見つけてアプローチするのは簡単すぎるのだろう。

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私には近々結婚予定のパートナーがいる。なんで結婚を決意してくれたのか聞いたら、「長い付き合いの中で、一番の理解者になってくれていると感じたから」と言われ、嬉しい気持ちと同時に、その友達のことを思い浮かべて、これからもそういられるかは自分次第だと気が引き締まった。

浮気・不倫はその相手がモテるかどうかは関係なく「その人を理解したい」とアプローチしてくる相手が1人いるかどうかだと肝に念じて、せめて、私は彼の一番の理解者でい続ける努力をしようと思う。