今年の夏はいつもより少し特別な気持ちでいる。
何故ならこの夏を超えると私は30歳になる。20代最後の夏になるからだ。

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今まで特に夏らしい体験をした事が無かったので、20代でやっておこうかと考えた。
海、花火、帰省、スイカ、プール、お化け屋敷…夏のイメージとしてありきたりだけど、トップバッターにくるだろうものを挙げてみる。
海 : 好き、見るの大好き。だけど、海沿い(埋立地ではあるけど)で育ってきたから「夏だ、海ーっ!」という気持ちは特にない。
花火 : 好き、感動しちゃう。だけど、見た後にあの人混みを抜けて帰るのは、気が進まなすぎる。
帰省 : 3世代住宅だったから、帰省先が無い。
スイカ : 大人になっても瓜科が苦手だ。
こうやって挙げてみると、特にやりたく無いんだということを実感した。
人混み苦手+陽キャラになれない性格もあって、なかなか夏を楽しむ方法を思い付けない。
そういう人はどうやって夏を楽しむのだろう。
夏が来る事でテンションが上がらないわけでは決してないし、特別な季節がやってくる気がする。
その理由は何だろう。

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夏の物語を扱った映画というと、限られた時間の輝きを持つ経験や冒険を超えて、大人になっていく姿を映したものが思い出される。
スタンドバイミーや、となりのトトロ、サマーウォーズなど。
夏が明けたら、ちょっと大きく成長しているみたいな。
確かに子供の頃は、夏休みが明けて久しぶりに学校に行くと、少し変わったなと感じる友達がいて、自分もそう思われたかったかもしれない。
長期休みという期間だったり、夏が終わることの感傷的な気持ちがそう思わせるのだろうか。
残念ながら、これと言って特別な経験や冒険をしたことは無く、「何か変わったね」と言われたことも無かったが、無事大人になってしまった。
変わる機会を与えてくれる経験を求めているから、夏はワクワクするのだろうか。
確かに今でもそんな経験してみたい。

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大人になると夏の長期休みは無くなり、私の職場だと貰えて5日間。
5日間で特別な経験をし、「何か変わったね」を手に入れるのは、だいぶ短期集中型だ。
思い切ったイメチェン、1人海外旅行。安直な考えだけど、勇気次第で「ちょっと変わったね」をゲットする強行手段はあると思う。それも良いと思う。
でも今年の夏はじっくり変わりたいような気分。
私の場合、今年の夏やりたいことは、20代でやっておきたいことになる。
そう考えてみると、たくさんやっておきたい事があった。
行ってみたかったところ、読みたかった本、観たかった映画、始めてみたかった習い事。友達にたくさん会いたい、家族にたくさん会いたい、前向きな性格になりたい。
やっぱり、ありきたりな事だった。
それで良いのかもしれない。映画みたいなことが起こらないことは知っているし、それが無くても毎年大人歴は溜まっていくし、ありきたりな達成出来ていない事をたくさん残している。

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大人になったら終業式や始業式がなくなり、合図を貰えなくなっていく分、見過ごしそうだけれど、今から夏を始めれば、子どもの頃よりも時間はあるのかもしれない。
これから夏が終わるまでの約3ヶ月間でじっくり達成していく地味チャレンジで20代最後の夏を超えるのもいいな。
地味と言っても、やり残したと言う事は一度達成に失敗しているわけだし、これはだいぶストイックな夏だ。
うん、何かワクワクしてきた。

来年になったら30代初めての夏がやってくる。
こうやって「何か変わったね」をまた目指したら、ずっと変わっていけることに気が付いてしまった。
まずは、前向きな性格、達成!