私は、元彼にもらったモノを今でも使ってしまうという癖がある。
使う頻度も高いし、大切にしている。
今はとっても素敵な、大好きな大好きな、大大大好きな彼氏がいるのに、まだ使ってしまう。

そんな自分が、ちょっと、いや、結構ニガテ。
気持ち悪いし、嫌だ。

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よく、「別れても、モノには罪はないよね〜」とか、「フリマアプリで売り飛ばした!」とか言うけど、私には、捨てることも売ることもできない。

父親が「お土産とかモノは大切だよ。例えばさっき買ってたキーホルダーは、小学校4年生の夏に南紀白浜で波にもまれて、干し梅いっぱい食べれて楽しかったな〜って、思い出すきっかけになるからねと言っていた。
モノに無頓着で、物欲ゼロの父親に言われたこともあり、文房具や駄菓子を買うのが大好きだった10歳の私にぶっ刺さった。

それからは、何か買うときは、できるだけ「コレを買った日を思い出して幸せな気持ちになれるか」を考えて買い物するようになった。
高校生になって、スタバやカラオケのお誘いに乗ったり、遠足や修学旅行の服、プリクラなど、一生残るであろう”思い出”にお金を使うようになった。

他の友達はほとんどバイトしていてお金はあるようだったが、私にはお金がない。
仕方なく父親に頼むと、「スタバに行かなくたって仲良くなれるだろ!」「服なんてたくさん持ってるだろ!」「お小遣いが増えたからって調子に乗るな!」と言われた。

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女の子だし、一見無駄に見えるけど必要な出費もあるということをわかってくれなかったし、私も言語化できていなかった。

だから、少しでも自分の出費を減らそうと、お盆やお正月に祖父母とショッピングモールに行った時も、好きな服やモノがないのに無理に買ってもらい、”服は増えるけど着れる服はない”状態に陥ってしまった。

服の話でいうと、小学生から高校生にかけて、私の好きな服を買ってもらおうとすると、“本当いつもセンスないよね”と家族だけでなく年に数回しか会わない親戚にも言われていた。

未だに、「今のあなたはセンスがすごく良くておしゃれになったけど、昔はひどかったよね〜笑笑」とネタにされている。
不器用で頑張っても何もうまくできなかった私は人に褒められたことがほとんどなく、ただでさえ自信がなくていつも縮こまっていたのに、服やモノへのセンスがないと言われて、自分の容姿やファッション、持ち物にも疑いを向けるようになった。

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私にとっては、学習能力や運動能力だけじゃなくて見た目もダサいと言われて育ったようなもので、私は次第に自信をなくしていった。
ちなみに当時、友達に服装や持ち物でいじられたことはなかった。
話は派生し過ぎてしまったけれど、要するにお金の使い方もファッションセンスも全てに自信がなかった。

今でこそ、「うるさい!というか、うるせえよ?口出しするな?あなたと私は違う人間ですよ?」くらいの超強気でいられますけど笑、当時の私の心は全てを真に受けて、しゅわしゅわと音を立ててしぼんでいった。

だからこそ、私のために、これまでの彼氏たちが選んでくれたプレゼントが本当に嬉しい。
彼らにもらってきたモノやアクセサリーをつけていると、間違いがないしハイセンスになれた気がして、姿勢良くニコニコしていられる。

そして、彼らとの思い出も心にふわっと浮かんで、あったかい気持ちになる。
当時に戻ってやり直したいという気持ちにはならないけど、なんて表現したらいいんだろうこの気持ちは。

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エモいって言うのかな。うん、きっとそう。
ガチで超絶エモい。鬼エモい。

私は、彼氏持ちだけど、元彼たちにもらってきたモノを前向きな気持ちで使ってしまいます。自分に自信を持てるからです。
誰にも言えません。

4年前にもらったネックレスが黒ずんできたから、今日は重曹でピカピカにしようと思います。ついでに、6年前にもらって嬉しくてもったいなくて使えてこなかったアロマも出しちゃおうかな。