昨今、美容整形が身近になり、整形に対する偏見も軽減されているとは言え、SNSのコメントでは整形を経験した人に対する辛辣な言葉を目にする機会も少なくありません。それぞれの美意識の中で綺麗になるために努力している人に対して、どうして文句を言う必要があるのでしょうか。

私自身は整形未経験ですが、私の顔は目が「細い」というよりも「短い」ために上方向への可動域が狭く、結果的に目が細くなり、しかも吊り目なので相手にキツい印象を与える顔だと思っています。「笑うと目がなくなるね」と言われるのは日常茶飯事。自分は目が細いのだと自覚するには十分すぎるほどの言葉を浴びて育ちました。

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目が細い人あるあるだと思いますが、幼い頃はよく「起きてる?」とからかわれた経験もあります。そんな自分の顔が嫌いでした。そんな中、2歳年上の姉が中学生になるとメイクをするようになり、くっきり二重な姉がさらに綺麗になる様子を見てこれだ!と思いました。

そこで私も姉に協力を乞い、小学生ながらにアイプチにチャレンジしてみたことがあります。しかし、皮膚が弱くアトピー体質だった私の目は赤く腫れ、細い目がさらに開かなくなってしまいました。瞼の腫れが引いて落ち着いては、別のメーカーのアイプチを試し、また赤く腫れ皮膚科に行き、を繰り返すうちについに「いいかげんにしなさい」と母に怒られてしまい、二重を手に入れることを諦めざるを得ませんでした。

周りの子がメイクを始めて、どんどんあか抜けていく中、その波に乗れない自分の顔をさらに嫌いになりました。かわいい子がどんどん可愛くなり、私のような人とは顔面格差が広がっていく一方でした。

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「親からの大切な顔を変えるなんて」という考えから美容整形に反対する人の気持ちも分かります。しかし、親からもらった大切な顔・体だからこそ私自身も自分のことを好きになりたいのです。私がアトピー体質であることも目が細いことも親のせいではないのに、同じ遺伝子から成っているはずのくっきり二重のかわいらしい顔立ちの姉と比較をして、自分のことを「こんな顔な上に、肌が弱い体質に生んだせいで修正も効かないし・・・」と卑屈になったこともありました。

「なりたい自分」になるために顔や体を変えることは悪いことでしょうか。私はそうは思いません。自分が持つ価値観の中で、その価値を高めているということにしかすぎないのではないでしょうか。英語が話せる自分になりたいと留学する人や、筋骨隆々な人になりたいとジムに通うことと大きな違いがないように思います。それらは決して安価に手に入るものではないため、アルバイトを頑張る子もいます。その方向が少々間違っていて犯罪に手を染めたり、人に迷惑をかけたりするのでは賛成できません。でもそれは「美容整形のため」に限ったことではありません。

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美容整形は「なりたい自分」になるためのひとつの手段にすぎないと思っています。ひとりでも多くの女性が自分のことを好きになれるように、またそのような努力を周囲も応援していける世の中になることを私は切に願っています。