眩しい太陽がキラッと照らす夏とは違って、柔らかく暖かな日差しが降り注ぐ秋。そんな秋は私にとって誕生日というビッイベントがあり、一番好きな季節だ。といっても、まだ残暑が厳しいときであり半袖を着ている。

◎          ◎

真夏の日中はどうしても散歩する気分にはなれない。今年の秋は、二年前に家の庭に舞い降りてきた愛猫と秋散歩してみたい。夏は飼い主も猫も暑くて、それどころではないし、猫用のリードを購入したものの、抱っこを拒む愛猫にリードをつける事は難しそうだ。この夏はリードをつける練習をして、秋にお散歩デビューできれば理想かなと思う。

毎日、風呂や和室の窓からお外を眺めてニャルソックするのが好きなウチの猫氏。実際にお外を出歩いてみたら、刺激になって良いし運動不足の私にとっても散歩は効果的で、一石二鳥である。

落ち葉やどんぐりがころがっているところに連れていくと、猫氏は喜ぶに違いない。猫を飼い始めて知ったことであるが、犬よりも新しいモノには敏感ですぐ匂いをかぐ癖がある。

しかも人間の言葉がわかる。自分の名前と、ちゅーるは確実に覚えていて賢いし、体調を崩して寝込んでいると一緒に近くで寝てくれて寄り添ってくれる、優しい一面もある。そんな猫氏といると毎日、笑うことが増え癒しを提供してくれていることに感謝しなければならない。

お外に散歩に連れ出すことが、私から猫氏への日頃の感謝を込めたプレゼントだ。10月で21歳の誕生日を迎える私にとって、今年の秋の楽しみなことの一つでもある。まだ夏は始まったばかりで毎日朝から暑いけれど、柔らかい日差しに包まれながらオレンジ色に染まる空を思い浮かべながら、秋のレジャー企画を練るのも楽しいものだ。

そのためにも、この猛暑を乗り切り猫氏とリードをつけて散歩をする練習をしておこう。そんな計画を立てている飼い主のことを、当の猫氏はまだ何も知らないがお互い新しいことにチャレンジする秋を迎えたい。

◎          ◎

真夏の海も楽しいけれど、秋に浜辺を歩くのも素敵な過ごし方だと思う。海水浴をすることはできないけど、秋に潮風を浴びながら砂の上を歩くこともやってみたい。秋の砂浜ってなんだかロマンチックで、夕暮れどきに海までもがオレンジ色に染まる瞬間を見てみたい。頭の中を空っぽにして秋風に吹かれながら、じっくりと浜辺を歩いてみたら今まで見たことがなかった景色が広がっているかもしれない。

海といえば夏のイメージだからこそ、季節外れの海がどんな顔をしているか眺めると、知らなかった新しい時間を過ごすことで自然の力を神秘的に感じられるはずだ。そんな海を猫氏と見つめてみるのもよい。静かに波打つ音に驚きながらも、猫氏にも新しい感情が芽生えるかもしれない。

猫氏と秋の芽吹きを全身で感じるために海に行く。それは、なんだか不思議な空間を体感することになりそうだ。紅葉を見に行くのも楽しみだけど、家族連れやカップルなど多くの人を夏にお迎えした海は秋にはどんな表情をしているのだろう。そう思い浮かべただけでも、ワクワクしてくる。まるで、いきなり知らない場所に瞬間移動した驚きを味わうかのように。

◎          ◎

秋は夏のざわめきの音を残しながら、穏やかな冬を迎えるための準備をする期間でもあるから、あっという間に過ぎてしまう貴重な季節だと思う。今を感じながら瞬間、瞬間を切り取って生きるには最高なときである。特に10月は私にとって生まれ変わる季節であって、新しいことに向き合いチャレンジすることを恐れてはいけない時間が今年もやってくることに期待して、落ち着かない自分がいる。

猫氏との散歩に、秋の海を訪れてみたいということ。いろんな冒険をしてみよう。そこには、きっと無邪気に遊ぶ夢見る景色が広がっているから。