「4年前」というと大学1年生になった年。この時は、高校1年生の時に「数学の先生になる」という夢を叶えるために4年間頑張って教師になるぞと意気込んでいたころと一致する。もともと数学が苦手で大嫌いだった私を救ってくれた恩師のようになりたくて、数学の教師を志望したけれど、未だに数学は苦手だし大嫌い。

そんな中で数学の教師になるという修羅の道を選んでしまった自分に苛立つことはなく後悔もないが、こんなにも自分はバカだったのかと思い知らされているようで悔しい。結局4年経った今も、大学を卒業できないまま5年生になった。

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この4年間で変わったこと。それは、私の夢、私の環境、私の日常、私の心、そして私の生活。数学の教師になりたいと、教育学部のある通信制の大学を志望して進学。意気込んで学業に取り組んでいた。苦手な数学も、苦手なりに一生懸命取り組んで単位を取った。

通信制だから、いろんなことにも挑戦して経験値もあげることができると、高校時代から続けていた障がい者スポーツのボランティアや、フットサルチームでの練習、トレーニングジムに通うこと、英会話教室に通うこと、サーフィンをやってみたいとか、スノボに挑戦したいとか、ヴァイオリンを習いたいとか、ボイトレに通いたいとか、髪を染めてみたいとか、あげればきりがないほどやってみたいことがあった。調べたり、準備をしたりと、これから始めようとしていることに、高揚感を覚えながら、満足できる充実した生活を送っていた。

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そんな矢先、新型コロナウイルスが蔓延しはじめた。最初こそ、すぐ終わるだろうと高をくくっていたし、遊びにだって出かけた。でも、収まるどころか自体は悪化。緊急事態宣言が出され、家族が家に揃う時間が増えた。学校もバイトもない、ライブやイベントの中止が相次ぎ、私がやりたかったことすべてが始められない状況に陥った。

今までやっていたことが全てストップし、学業だけが残った。この学業を頑張るための原動力が何もなくなった。心も頭も空っぽになって、何もせずただぼーっと1日を過ごす日さえあった。

何もできずにいた約1年、私は教師になりたいという熱さえ冷めきっていた。でも他にやりたいこともないし、好きなことを仕事にはできないからと、やはり何もせずぼーっと1日を過ごす日があった。

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私だけじゃない。中学生だった弟は修学旅行に行けなかったし、全国の小中学生だって遠足や修学旅行に行けなかった。地球上に生きるすべての人が、このコロナに大切な何かを奪われている。大切な人や、大切な時間、夢、お金では決して買うことはできないもの。その瞬間に戻ることもできない。そんな大切な何かを、私たちから容赦なく奪っていった。

日々、目まぐるしく変わる世界、日本、日常。4年と言う、短いようで長い歳月は、私の夢を変え、環境を変え、日常を変え、心を変え、そして生活を変えた。
これからの未来を生きるために、私は何をすれば良いんだろうか。教師になりたいと思えない、数学は苦手で大嫌いなまま、好きなことややりたいことが分からない。私は、日々なにを目指して生きて、何を目標に生活していけばいいんだろうか。

4年と言う歳月が変えてしまった私を、私はどうして行けば良いんだろう。