秋は穏やかに過ごしたい。ゆっくりと読書を楽しみ、静かに美術館へ行き、美意識を高める。そして、興味のある分野について学び、知識を深める。文化的な生活を送ることが目標だ。

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夏に、社会人向けの盆踊りサークルに入った。様々な祭りが解禁となり、週末は大忙しだった。そのため、一人でゆっくりする時間は、ただぼーっとするだけで過ぎていくことが多かった。外に出られることは嬉しいことなのだが、その分家では生産性のないことをしたい気持ちになっていたし、趣味を楽しむ元気を削がれているような感覚があった。必要とされるから外に出ていたから、そして、暑さも相まって、自分の為に外に出ることをしていなかった。

ゆっくりする時間を作ったら、まずは読書をしたい。積読中の小説が山ほどある。未読のものがほとんどだが、図書館で借りて気に入り、文庫本を買ったものもある。冷たいカフェオレを作り、快適な室内で、紙の肌触りを楽しみたい。どんな物語の世界が広がっているのだろう。どんな言葉たちが待っているだろう。読みたい気持ちがうずうずしている。質の良いインプットをたくさんして、質の良いアウトプットもしたい。気に入った文章や言葉は書き出し、反芻して余韻を楽しみたい。自分に染み込んでいくように。

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次に、のんびりと美術館を巡ろう。美術館に似合うように自分を着飾って、秋の涼しい風を受けながら街中を歩きたい。行きたい企画展はたくさんある。美術館巡りが趣味の同年代の友達は居ないが、そこへ行けば、同じような年の方がたくさん居る。ひとりのようで、みんなが仲間のような、不思議な空間が好きだ。

自分のペースで館内を歩きたい。そしてお気に入りの作品を見つけて、心に焼き付けたい。
好きな画家が見つかると尚、嬉しい。部屋にレプリカでいいから絵画を飾りたい。好きな絵に囲まれた生活。なんて美しいのだろう。

そして、勉強をしたい。そこそこ勉強は出来たほうだが、その為に高校で勉強を疎かにしてしまった結果、大人になった今『もっとちゃんと勉強しておけばよかった』状態になっている。学生時代に考えることを放棄した罰が回ってきた。ちなみに今は、あやふやな日本地図を覚え直している。『自分の住んでる地方だけでいいよ』と言った学校の先生。全然良くなかったよ。私は、恥ずかしい。

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もっと真面目に学習をしていれば現在が違っただろうか。そんなことを考えてしまう。だったら今から学んでしまえという発想だ。学びたいことは沢山ある。どうやって計画を立てようか。哲学、漢字、英語、中国語、フランス語、宇宙、経済、絵画、心理学。欲張りなのは分かっているが、知りたい欲が溢れて止まらないのだ。何かと理由をつけて避けてきた興味のある事柄たちから、もう目を逸らしたくないのだ。

意識高い系と言われても良い。というか寧ろ、意識が高くて何が悪いのだ。周りに何を言われても、私のしたいことをして生きていく。秋は、ゆっくり、じっくり自分を満たす季節にしたい。アウトドアな夏から、ちょっぴりインドアな秋へ、季節とともに移り変わる予定だ。