4年という期間は長いようで過ぎ去ってみればあまりにも短い。

私はこの4年間で以前より沢山写真を撮るようになった。自分の見た景色や、友達や恋人の姿を記録に残す。とりわけ人間は見た目も考え方も移ろいが早いので被写体としてとても面白い。

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特別でなくても何か自分の好きなことで(例えば私の場合は写真)笑えていればそれでいいじゃんと思えるようになったのはつい最近のことだが、20代を終え30代に突入した時、生きているのが本当に辛く、鬱病になった。理由は子供の頃に夢見ていた30歳の自分と現実があまりにもかけ離れていたからだ。未婚で子なし、仕事を辞めたばかり。人生失敗したと当時は本気で落ち込んでいた。

もしこれを読んでいる貴方が10代、20代で、30歳になるまでに何かを成し遂げなければならないと焦っているなら、まさにあなたは私が患っていたのと同じ、「30歳の呪い」にかかっている。

10代後半から20代前半にかけての時代を子供から大人へのモラトリアム期と考えるなら、30代は若者から中年へのモラトリアム期である。

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一方ではもう若くないんだから夢を見るなと言われ、もう一方ではまだまだ人生は長くこれからだぞ、なんて言われる。

どちらともつかず、若者と中年との間を彷徨っている。

フランスでは歳をとるほど美しいという価値観があるらしいが、日本では悲しいかな、若さに対する信仰があまりにも強い。30歳を超えると女性への世間の視線は一気に厳しくなる。家庭に入るか、バリバリのキャリアウーマンになるか、はたまた家庭も仕事も両立するスーパーウーマンでないと、何かよくない事情を抱えているのかと思われる。

晩婚化が進む現代でも、30歳までに結婚したがる女性は多い。転職するなら30歳までとも言われる。私もかつてはそう信じていた。目まぐるしく変わっていく時代の中で多くの人がいまだに30歳という数字にこだわるのは何故だろう?29歳と30歳にそんなに差があるとは思えないけれど、気持ち的には何故か全然違う。

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30歳を過ぎて気づいたことは、私が30歳になるのをあまりにも恐れ過ぎて、20代を楽しめなかったことだ。古い考え方に囚われ、自分の本当の幸せに気づけなかった。

恋をすることや悩むこと、それは10代20代だけの特権ではない。

早熟な人もいれば晩成型の人もいる。30歳までになにも成し遂げられなかったからといって悲観する必要はない。大事なのは今この時間である。

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これは私自身に対する自戒も含めて若い人に伝えたい。

あなたの人生にタイムリミットはない。あなたはあなたの好きなことをして良い。辛い時は誰かに助けを求めていいし、好きなことがあるのならそれをとことん突き詰めてもいい。

結婚しなくても、子供がいなくても、非正規雇用でも、重要なのはあなたが幸せかどうかだ。

そろそろ私たちは年齢という呪いから自由になって良い頃だ。むしろ、私たちが変えていかないとこの呪いは永遠に末代まで続いていく。

年齢のせいで何かを諦めたり、自分で自分に制限をかけてしまうことはあまりにも勿体無い。

誰の言葉か知らないが、私はこの言葉が好きだ。「人間今この時が一番若い」