私はお酒が弱い。親から受け継ぐ遺伝で、ほとんど飲めない体質だ。
だから居酒屋には行く機会がほとんどなく、家で晩酌をすることもめったにない。飲んでみれば、楽しいと思った時間はつかの間で、気がつくと強力な眠気に誘われている。気絶するように眠ることもあるので、外で飲むのはチャレンジとも言える。
私とお酒は、とても離れた距離がちょうどよい。体質で飲めない人でもあり、アルコール自体がそこまで好きではないのも理由。
「アルコール=消毒をするもの」という刷り込みがある私は、いくら度数が低くても飲み物としては受け入れがたい。アルコールならではの独特の香りや、あとから感じるケトン臭。私にとっては、なくても良いと思っている。
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ここで、私がどこまでアルコールに弱いかを話そう。
大前提として、アルコールを飲むとすぐに顔が赤くなる人である。ジョッキに入ったカクテルやチューハイを1/3~1/2ほど飲むと、とても顔が赤くなる。友人にも心配されるくらいだ。
以前、友人と旅行に行ったとき、居酒屋でチューハイを飲んだのだが、久しぶりの飲酒とあってすぐに顔が赤くなった。友人はさすがに危ないと思ったのか、あとは私が飲むからソフトドリンクを頼んでいいよ、とメニュー表を勧めてきた。酔いが始まったことはわかっていたが、そこまで赤ら顔になっていたとは思わず、笑いがこみ上げる。
アルコールが入って少し酔ってくると、笑い上戸になるのも私の特徴のひとつ。何かがツボに入ったわけではないが、とにかく楽しそうに笑い始める。自分的には、泣き上戸よりはましであると思っている。リアクションが大きくなり、表情筋もほぐれてくる。
しかし、ここでやめなければ、周りに迷惑をかけることになりかねない。そう察知したのは、最近のことだ。
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普段ほとんどお酒を飲まないので、この日の飲酒は約1年~1年半ぶりであった。
久しぶりの飲酒をしようと思ったきっかけは、CMでみた、アルコール度数が2%のチューハイだ。これならばいけるかもしれないと思い、買ってみた。
ワクワクしながら飲み進めていくと、半分くらい飲んだところでこれ以上飲めなくなった。拒絶はしていないが、飲み込もうとはしない自分がいたのだ。確かに、飲み進めていくピッチは少し早かったかもしれない。ソフトドリンクを飲むスピードと変わらず、量は少なめで飲んでいた。空きっ腹ではないものの、回るのが早かったのだろう。
楽しくなった瞬間が自分でもわかった。テレビを見ながら、笑い上戸になっていく自分が手に取るようにわかる。これはやばいぞ、なんて思いながら、残りの半分を少しずつ飲む。
すると、あと1/3ほどになったとき、急に眠たくなった。飲んでいたのが夜だったため、眠気があるのは仕方ないと思っていたが、眠くなるスピードが著しく速い。まぶたが全く上がらないほど、全身麻酔にかかったかのように眠気に襲われた。
我慢できなくなり、ソファーに横になった私。1分もしないうちに深い眠りに就いた。20分くらいして、目を覚ます。このころにはリセットされているので、残りのお酒は飲み干せて、眠気もない。
しかし、目を覚ましたときに気づいたのが、気絶するように寝ていたことだった。夢を見ておらず、寝ていたことをほとんど認識していないまま目が覚めたのだ。意識をなくしていたという認識のほうが近い。
この珍事件があってから、さすがにお酒は飲んではいけない飲み物であると認識した。
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普段からお酒を飲むことはなく、距離としてはかなり遠いところにいる私。だからだろう。久しぶりにお酒を飲むと、たとえ弱い度数であったとしても気絶するほど眠ることがわかった。朝までぐっすりではないが、寝ているという記憶をなくすほど酔いが回るので、外では飲んではいけないと思った。引き続き、距離感はロングディスタンスを保っていなければいけないな、と強く感じた出来事であった。
私とお酒の距離感は、絶対に近づけられないものがある。たまに、友人との食事で顔色を変えずにたくさん飲んでいる人がいて、外でお酒が楽しめることをうらやましく思う。
それでも、これからも距離は保っていくつもりで、縮めようとは思わない。自分との適切な距離を守りながら、楽しめる範囲で密かに楽しんでいようと思う。