旦那と冒険する旅行も、家族とまったり旅行も好きだけど、親友と行く旅行は刺激があって格別だ。
親友と行く旅行は、その行き先に行きたくて旅行に行く以上に、その人に会いたくて、思い出を共有したい気持ちの方が大きかった。
だから、行き先をどこにするか、そこで何をしたいかなどは最優先事項ではなく、お互いの都合が合う時に、私たちに相応しい場所に行くことが大切だった。
そうして急遽決まった、私たちだけの5日間。
お互いにリサーチして、観たいところ、食べたいもの、泊まりたいところを決めた。
私よりその土地に詳しい親友は、私の「やりたい!!」を全て叶えてくれた。
◎ ◎
空港に着くと、独特なその国らしい香りに包まれて、いつもの日常から離れたことをふと思い出した。
想像していたより過ごしやすい気候で、公共交通機関を使って市街地へと向かった。
海外だけど、どこか見覚えのある看板が目に入ると、私はどこか安心を覚えた。
携帯の地図を片手に、事前に予習した行き方を再確認する。
いつもと違う景色が見えて、自分と異なる言語が聞こえ、初めての独特の香りに、より一層私の胸が高鳴った。
現地集合にしていた親友と合流すると、またこんなすぐに会えると思っていなかったチャンスにますます心も躍る。
「きっと、この日のために私は今日まで生きていたんだ」と、改めて実感する。
嬉しくて幸せな気持ちでいっぱいの親友との再会から、この時既に始まっている別れのカウントダウンも噛み締めながら。
◎ ◎
「人の話で聞くよりも、実際に足を運んで、この目で確かめたい!」
そう考える私にとって、今回の旅で人生初の地に訪れることは、とても有意義なものだった。
本屋のガイドブックで見た景色よりも、ネットで調べて出てきた写真よりも、そんなものとは比べられモノにならないくらい、自然も呼吸(いき)をしていた。
五感で感じられるものには、独特な生々しさがあるように、目に入るもの全てが鮮明に映った。
時には、予定になかった地元のアクティビティーに加わり、新たな経験を楽しんだ。
あそこで見た夕陽は、今まで見てきた夕陽の中で最も綺麗で尊くて儚かった。
永遠など存在しないが、永遠のようなその一瞬のために、ここに親友と来た価値があったのだ。
◎ ◎
忘れられない景色や街の香りが、訪れる場所ごとにある中でも、私は今回の旅が印象深かった。
「また、出会うべき時に、会おうね!」
私とは対照的で、いつも明るく声をかけてくれる心強い親友。
そう別れを交わした旅は、今も約束されていない未来ではある。
それでも、会う人とは、会うべき時に必然的に出会うのだろう。
そんな親友とは、どんなに離れて居ても、いつも心の中で応援してくれているのを感じる。
そう分かっているからこそ、困難に遭った時も、親友と見た「あの忘れられない景色」が今も私の背中を押し続けてくれる。
まだ見ぬ忘れられない景色も含めて、未来に胸を大きく膨らませて。
親友との再会まで、私が見せられなかった姿を見せるためにも、私のやるべきことを私はやり続けるのだ。
そして、その先に、まだ見ぬ「私たちだけの忘れられない景色」が見続けられる未来を信じて。