「恋の終わらせ方」は、2種類の意味を持つと思う。

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1つは「恋愛関係の終わらせ方」

例えば、交際関係を終わらせる。あるいは、交際はしていなくても…所謂「セフレ」の関係を終わらせる、だとか。片思いを終わらせて、ただ異性の友人という関係性になる…というのも、私はこちらに該当するように思う。私がいて、好きな人がいる。

2人の関係性の終わらせ方。
もう1つは「恋心の終わらせ方」。これは、自分の中に灯った炎を消すことだ。あくまで自分自身の問題。

これまでの人生で、私はほとんど自らで「恋愛関係を終わらせ」たことがない。何も、受け身な恋愛ばかりをし続けていたというわけでもない。
「彼への気持ちが無くなったから」という理由で恋愛関係を終わらせたことも、彼の浮気がきっかけで終わらせたことも無かった。

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まず私の恋愛は、恋心の終わりが関係の終わりに先立つことがほとんど無いのだ。そして、私は恋愛の「潮時」も「引き際」も分からない。
カラオケボックスの「そろそろ終了のお時間です」の電話。居酒屋さんの大将の「お客さん、店閉めるんだけど」の声。舞踏会に参加したシンデレラを呼ぶ0時の鐘。
私以外の何者かが終わらせ、シャッターを閉めるまで、私はその恋に居座るのだ。
そうやって恋愛関係が終わった後で、私は恋心のほうを終わらせるべく消火活動にあたる。

「彼女は作る気無いって言ったでしょ〜。」
優しく私を諭す彼。
はて、そうだったっけ。今酔っているけど、前に会った時、そんなこと聞いていないと思うけどな。

男性の言う「彼女はいらない」が嘘であることくらい、私だって流石に分かる。
友達数人の顔を思い浮かべる。一人一人鮮明に浮かぶ。そして、その全員がこの後にとる行動まで鮮明に浮かぶ。今すぐこの部屋から出て彼とは連絡はとらないか、キリがいいところで出て、後日、やはり彼とは連絡をとらない。

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「もう連絡とらない方がいい?フィー子ちゃん、きっと良い人いるから、そっち行った方が良いって!」

はい。たぶん、ここが引き際。
先程、引き際が分からないと言ったけれど、本当は分かってるんだよ、一般的にここが引き際なのだと。

だが、私の引き際ではないのだ。
ここで引けないのだ。

「連絡とらないって決めちゃうのは、なんか寂しい。連絡して。」と答えて、どうにかこうにか足掻くのが、私なんだよね。それに私は、本当に一生連絡をしなくても「もう2度と連絡をしない」って決めて別れることが苦手。いつか生きているなかで連絡をするかもしれないという余白を残してさよならをしたい。

See you again.で別れたいのだ。
まあ、その余白に翌日から苦しむのは私なのだけど。スマホ片手に祈祷なんかしちゃってね。

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彼は不安定な職業だし、だからなのか、彼の職業は男女共に晩婚あるいは未婚の傾向にある。私も、交際のすぐ後ろに結婚という2文字が見え隠れする年齢なので、尚のことそのような「彼女はいらない」だろう。
大体、私だって不安定な職業の男性とのお付き合いは少し考えるよ!と酔いから少し覚めて思う。
私って別に彼と付き合いたいわけじゃない気がする。
じゃあ、やっぱり終わらせた方がいいのでは?
いやでも、付き合ってみたい、気もする。もう少しこのままで居たい。

おそらくこの後、連絡が来ればまた会いに行くし、連絡が来なければ私から誘い続ける。しつこくしすぎて連絡が取れなくなった時が私の恋の終わり。
その時には関係性が破綻しているわけなので、肩を落として恋心を終わらせに向かう。

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結局私はぐちゃぐちゃにならないと終われない。

これが私の恋の終わらせ方。ただ、否が応でも恋心を終わらせざるを得ない状況に追い込まれているだけなのだが、何度繰り返しても、この流れで恋を終えているのだから、もはや意図してこの終わり方を選んでいるのではないかとさえ思う。

ということは、これも立派な恋の終わらせ方なのであろうか。なんて。ポジティブすぎる。
良い加減、丁度いいところで身を引いて、恋を終わらせられる女性になりたい。