「ファンという存在が、僕にとってアイドルという活動を続ける意味になったということを知っていて欲しいなと思います

これは、私が陰ながら応援している男性アイドルの言葉である。先日、社名を変更して新しいスタートを切った某芸能事務所に所属している彼は、いつも応援してくれるファンの人のために、家族や友人のためにと、大切な人のためにアイドル活動を続けている。

何でもやめることは簡単だけれど、続けていくことが一番大変だということ。日々私たちを取り巻く環境は変化していっている。それは彼が生きる芸能界でも、同様のことが考えられる。

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 彼が所属するグループの三人は脱退したあと、新しい活動を始めまた一から挑戦していくことを決めたそうだ。その新しい一歩に対して、さまざまな意見が交わされる中で、「分裂」という言葉がSNSで交錯するのを目にした私は、とても悲しい気持ちになった。

どうして素直に応援できないのだろうと思いながらも、グループに残ると決めてから、そこで活動を続けている二人の謙虚な姿を思い浮かべると、何とも言えない複雑な心情がわからないわけでもない。五人、六人がそれぞれの場所でひとりひとりが今やりたいことに突き進んでいく姿を、ファンがまっさらな気持ちで応援できる日を私はずっと待っているし、そういう未来が早く訪れてほしいと強く願っているところだ。

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今はなかなか推しの現状に正直、追いついていけいないファンが多くいるなかで、このようなエッセイを書くことは戸惑いもあるが、彼らにとって等身大の自分たちを応援してくれるファンの存在が、どんなときも支えになり背中を押すものであるはずだということは忘れてはいけないのではないかと私は感じている。

グループに残っている二人が所属する某事務所は今、危機的状況にあるが、それでも一生懸命に目の前の仕事をやり遂げようと努力を重ねる姿と、自分の生き方を掴んで新しいステージに羽ばたいていく三人。どちらも、本当に素晴らしいし、カッコいいと心から思うし、続けることも新しいことを始める人生も簡単ではないからこそ、彼らにとって今こそファンの応援が支えになるに違いない。

だからこそ、些細なことが引っ掛かりSNS上で議論が繰り広げることよりも、等身大の彼らの姿を見てほしいし、私もそうしたいと望んでいるのだ。

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大きな決断をした推しの等身大をわかりあえるのは、きっとファン同士しかいない。その輪のなかで互いのことを分かり合おうとするように、それぞれの推しの夢を理解し、応援しあえるコミュニティーがあってほしいと思う。

ファン同士で対立してしまいたくなる現実といってしまえば仕方のないことなのかもしれない。だけど、どんな活動をしていても、その人の生き方そのものが好きで仕方なくて応援したいという情熱は、きっと彼らに伝わるものなのだ。特に、新しい環境で生きると決めたとき、彼らはさまざまな意見が飛び交うのを覚悟しているだろう。

そんなとき、「ずっと変わらず応援していきたい。」というファンのシンプルな一言が、これから楽しいことばかりではなく険しい道を進むかもしれない彼らにとって、一番の支えになるはずだ。

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それぞれの個性をわかりあえる社会の実現が求められる現代において、家族や友人のやりたいことを肯定するのは些細なことではあるが大きなことでもある。いつの時代も応援してくれる人がいるから、その人たちのために頑張ろうと一生懸命努力しているのは芸能人だけではない。

「なぜ今の仕事や勉強を続けられるのか」と尋ねられた時、半数以上の人が応援してくれている大切な人がいるから頑張れると答えられるような、心温かい世の中が訪れてほしいと日々願うばかりだ。