4年間で変わったこと、そう言われると何を思い浮かべるだろうか。元号が変わったり、新型コロナウィルスが流行したり⋯⋯様々な社会情勢や人々のライフスタイルが目まぐるしく変化していく中でこの4年間、自分は目を閉じて、俯いたまま生きてきた。とにかく自分の姿を直視しない努力をしていた。そうしないと苦しくて仕方なかったからだ。

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4年前、平成から令和に元号が変わる時、自分は一分一秒先の未来にすら希望が持てない程、絶望していて今すぐにでも人生をリタイアしたいと思っていた。毎日、仕事、仕事で時間に追われていて、遊ぶ時間も無ければ、体力も無い。仕事して疲れて帰って寝て⋯⋯そんな繰り返しだった。やりたい事も無い、なりたい自分も夢も目標無い。

仕事のトラブル、上手くやれない自分の不甲斐なさのせい、自責の念⋯⋯。どれをとっても全てが自分のせいに見えてしまっていろんな人に申し訳なさでいっぱいの毎日だった。しかしどれだけ懺悔しても仕事は終わらなくて毎日が辛くて辛くて仕方なかった。ストレスからか夜も眠れず、徐々にご飯も食べれなくなって、コンディションは益々悪化していった。そして遂に大好きなファーストフード店のチキンすら喉を通らなくなって、それがあまりにも悲しくて悔しかった

そこで「好きな物すら食べられないなら死んでしまおう」って思った。それくらい自分という存在に嫌気が差していたんだと思う。それが2019年4月10日の事だった。

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⋯⋯そして今現在。なんだかんだで自分は生きている。そこでリタイアしなかったからこそ見えた景色があって、あんなにも絶望していた当時の自分が今の自分を見たならば、もう少し頑張ってみようかなと思えるような自分になれているんじゃないかと思う。それくらい刺激的で視野の広い人生に変わったんだ

自分に変化があったのは2022年、夏ももう終わろうかとう頃であった。いつものように見ていたショートの動画サイト、なんとなくスワイプしながら何か面白いものは無いかとぼんやりと眺めるのがルーティンみたくなっていた。

その時に突如として流れてきた動画に自分は目を止める。それはとある配信者が雑談をする動画であった。なんで、目に止まったかは今でも分からない。しかしながらその瞬間「この人めちゃくちゃ男前だな」と普段思わない感想が頭の中を巡ったり、その軽快なトークが心地良く耳の中に入ってきた事だけは今でもよく覚えている。そんなこんなでその人が気になった自分はそこからどんどん他の動画も見るようになった。久しぶりに面白いと思う感覚があって、生きた心地がしたのを今でも覚えている。それは止まっていた自分の時計をえげつない速度で回すネジかのようだった。

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彼らの事は元々名前と存在は知っていたがどういった活動をしているのかは詳しくなかった。よくよく動画を見ていくと意外にも彼らはアーティスト活動をしていて、動画を見たのをきっかけに曲も聴くようになった。彼らの曲はいつも前へ前へと進んでいくようなまさにポジティブという言葉が似合う曲が多く、聴いていると自然と笑顔が浮かんできた。

そして、動画を見ていく中で彼らの生き方や考え方に憧れを持つようになって、いつしか自分の中で彼らのライブを見に行って生の彼らを見る事、歌を聴く事、それが夢になった。こんなに大人になってからでも夢を持てる事が嬉しくて、それに向かって頑張ろうと思った。

その為にまず、見た目を変えようとダイエットを始めた。自分の食生活、生活リズムを見直しながら、メインは運動する事だと思い、とにかく歩いた。目標を決めてひたすら歩いた。少し面倒だなとかキツイなと思う日もあったけど、そんな時は彼らの曲を聴いて、背中を押してもらっているかのような気分になって元気を貰ってまた進む。そうすると一歩が後もう一歩、三歩⋯⋯どんどんと歩く歩数、距離が増えていってそれに比例するかのように体重も減っていった。視覚的にモチベーションにも繋がってまた頑張る事が出来た。

さらに体重が減ると着る物も変わって今まで着れなかった服や着てみたいと思った服を着れるようになった。それを見て「今度はこうしたい」「あんな事をしたい」と次から次へとやりたい事が出てきて、インナーカラーをしてみたり、ピアスを開けてみたり、行ってみたい場所にお洒落して出かけたり、自分のやりたいが増える度、それに向かって挑戦していった。

加えて、「これ好きだな」ってう感情も持つようになって食べ物、人、物⋯⋯好きな物がたくさん増えていった。楽しい、面白いそう思う日が少しずつ、少しずつ増えていった。そんな事をしていたら気付いた時には閉じてた目はしっかり開いていて、いつのまにか前を向いていたんだ。前を向いた世界はキラキラと輝いていて、人生が楽しいって思えたんだ。

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そして、2023年3月5日ついに念願のライブに行く夢が叶ったのであるその1日はどこを切り取っても今までの人生の中で比にならないくらい最高の1日だった。それからまた行きたくて7月にもライブに行った。目と鼻の先に居た彼らの姿はとても熱くて最高にカッコよかった!!益々彼らに憧れて、彼らみたくなれるように目指したいと心の底から思った。

こんな風に行動出来るようになるなんて4年前の自分のままでは想像も付かなかった。人生、嫌な事ばかりで悩む事も立ち止まる事も多いけど、何か、少しのきっかけで一気に変わる事もあると知ったし、どんな小さな事でも好きや、夢を大切に持つ事の重要性を学んだ。

それを教えてくれたアーティストの彼ら、そして自分を支えてくれる周囲の人達には感謝しかない。ありがとう。本当にありがとう。今も毎日ハッピーなんて事ばかりでなくて落ち込んだりする事、悲しい事も無数にあるけれど、自分で前を向く手段を持てるようになっているから大丈夫。

4年前の自分へ。今は死ぬ程辛いかもしれないけど、死んじゃいたいってそっちに向けて心と体が向いてるかもしれないけれど、その後に特大のめちゃくちゃ楽しいこと待ってるから、そこで立ち止まらないで歩き続けて絶対に後悔はしないから。あんな素敵な推しの顔を見ないで人生終えるのはもったいないよ。

たくさんの好きと楽しいが増えた事、その為の視野が物凄く広がった事が4年間で変わったことだ。これからもやりたい気持ちを大切にチャレンジしていきたい。