私と親友Kちゃんは、小学生の頃からの仲。 出会ってから、もう20年近くなる。こんなに長く関係が続いている友人は、他にはいない。地元の同級生で連絡を取ったり、頻繁に会ったりしているのもKちゃんだけ。

クラスや部活で嫌な思いをたくさんしたので、他の人たちとはなるべく距離を置いている。地元の知り合いとはもう絶対に会いたくない。 特に、小学校から高校までの間に嫌な思いをさせられた人たちには。地元での思い出は、つらいことの方が多かった。帰省してもかつての知り合いとは会わず、実家で家族とゆっくり過ごすようにしている。

もう地元にいたくない。だから、都内の大学しか受験しなかった。地元の知り合いと同じ学校へ通いたくない。だから、まあまあ有名な大学を蹴って短大へ進学した。短大での2年間も、その後に編入した大学での2年間も最高だった。社会人になってからも、地元の知り合いとは誰とも仕事で再会せずに済んでいる。

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Kちゃんは、いつも私の味方でいてくれた。私がつらいとき、いつも心配してくれた。「もうここにいたくないよ」と私が愚痴を吐くたびに、笑顔で「一緒に東京進出して楽しもう!」と言ってくれた。「絶対に東京へ行こう」と私も決意した。 そして、それは見事に実現された。 

Kちゃんは、私とは別の大学へ進学した。 それでも、私たちは頻繁に連絡を取り合い、予定を合わせて色んな所へ遊びに行った。 私と違ってアクティブな彼女は、東京に興味津々。 色んな場所へ連れて行ってくれた。 地元では体験することのできないことばかりで、どんどん思い出が増えていった。

就活の時期はほぼ会えていなかったけれど、お互い進路が決まるとまた遊ぶようになった。 卒業旅行をきっかけに、年に一度の旅行が恒例となった。

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社会人になってからも、Kちゃんは私を支えてくれた。学生時代とは違うエリアへ引っ越したので、そこでの慣れない暮らしに戸惑った。前職の会社まで少し時間がかかるので、毎日早起きして急いで家を出ていた。上司から理不尽な扱いを受けた。我慢できなくて、仕事を辞めて地元へ戻ろうかと考えたこともあった。

そんな思いをしながらも、今日まで東京で頑張れている。全部Kちゃんのおかげ。少し疲れているときでも、彼女と会えば元気をもらえる。笑顔でいっぱいになれる。 他愛のない会話をしているときでさえも、私にとって大切な時間。チャレンジ精神のある彼女を見ていると「私も頑張るぞ」という気持ちになれる。そのおかげで、私は勇気を出して転職できた。

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困ったときは、お互いに支え合いながら。 一緒に過ごす時間は、思い切り楽しみながら。これからも東京で、Kちゃんとたくさんの思い出を作っていけたらと思う。