皆さんは、ファミレスのドリンクバーをオーダーしたことはあるだろうか。
ないという人の方が少ないのではないかと思う。

ファミレスは、何時間も友達と駄弁っていてもそれほど罪悪感が湧かない、ありがたい場所だ。

東京など、人が多い地域だと待っている人達がそれなりにいるのかもしれないけれど、私が住んでいる札幌だとそのようなことはほぼ無い。さすがに札幌駅に直結の店舗だと待つこともあるけれど、せいぜい前に数組いる程度だ。席数が多いのですぐに案内してもらえるし、お昼と夕ご飯の時間以外なら、待たずに入れることの方が多い。郊外にある店舗なら、どの時間帯でも待つことはほぼ無い。

途中で追加オーダーをしておけば、数時間程度ならとどまっていても許される、気がしている。実際にお店の人達がどう思っているかはわからないけれど。

だから私は、ファミレスに行った時には大体ドリンクバーを頼んでいる。数時間滞在する際には、喉の渇きを潤すのに必須だからだ。水でもいいけれど、それだと気持ち的にちょっと寂しい。同じく、という人も多いのではないだろうか。

◎          ◎

そんなドリンクバーについて、高校のとき、友達と話したことがある。
「ドリンクバーって、元をとるには何杯飲めばいいんだろうね?」
検索すると、いくつかその件についてまとめた記事がヒットした。
私たちが開いたサイトによると、最も原価率が高いのはジュース類とのことだった。それらを多めに選びつつ、20杯程度飲めば、食事と組み合わせた場合のセットの値段を基準に考えると元がとれる、とまとめてあった。

この話を友達としたのは、美術部で高文連に来ていたときだった。当時の私たちは、たしか2年生だったと思う。結構空き時間が多かったので、このような無駄話に花を咲かせていた。
検索結果を受けて、友達がこんなことを言い出した。
「ねぇ、この会場の近くにサイゼリヤあるよ」
そんなことを言われたらもう、行くしかない。高文連が終了すると、私たち2人はすぐにそのサイゼリヤへ向かった。

あまり覚えていないけれど、高文連が終わったのが17時過ぎくらいだったと思う。

結果的に、私たちは23時くらいまで店内に滞在していた。それくらいまでいないと、20杯なんてとても達成できなかった。

最初は普通に会話しながら飲み進めていたのだけれど、段々会話すらも辛くなってくる。

ひたすら目標の20杯に向けて水分を摂り、最後の方は2人が席に揃っている時間がほぼ無いくらい、交互にトイレに行き続けていた。この日のトイレの清掃員の方の仕事は、私達のせいでだいぶ増えたのではないかと思う。
極力ジュース類を選ぶようにはしていたけれど、それだけだと飽きるので、コーヒーやお茶も10杯以上は飲んでいた。なんとか20杯を達成すると、私たちはすぐに退店した。

お腹がチャプチャプなのと、妙に意識がハッキリした感じがして気持ち悪かった。

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最寄駅に着いて、自転車を漕ぎ始めたとき。ハンドルを握る自分の手が、震えていることに気がついた。多分、カフェイン中毒だった。

あんなにコーヒーを飲まなければ良かった、と思いつつ、危ないので降りて自転車を押しながら歩いた。家についても震えが止まらなかったのでちょっと怖くなったけれど、寝て起きたら治っていた。

よかったー。こんなことで病院にかかったら笑いものだ。

とはいえ、このような症状は起きないに越したことはない。私たちが検証し終えたので、これを読んでいる人達は、どうか真似せず、適切な量のドリンクを楽しんでほしい。