小さい頃の私は夜更かしを一切しない子だった。親が「早く寝たほうが良い」という方針をとっていたし、私自身も夜遅くまで起きているのが辛いこともあり、「さあ!夜更かしをしよう!」と思うことさえなかった。

夜更かしをすると翌日、起きるのが大変になる。授業中に眠くなる。集中力が低下する。頭にモヤがかかる。私は夜更かしに対してマイナスなイメージしか抱いてなかった。

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大学受験の時も12時を過ぎる頃には寝るようにしていた。…というか、勝手に寝ていた。その時間までしか起きることができないからだ。「カフェインを摂れば寝ない!オールできる!!!」と思い、レッドブルを飲んで夜更かしに挑んだこともあるが結局寝てしまう。

レッドブルを飲んでもダメ。モンスターエナジーを飲んでもダメ。コーヒーを飲んでもダメ。緑茶を飲んでもダメ。メガシャキを飲んでもダメ。カフェインが効かない体質なのか分からないが、どんなに頑張っても私は眠りこけてしまい夜更かしができないのだ。

友人曰く「ここを押せば夜まで元気でいられる!」という謎のツボを教えてもらったことがあるものの、全く効果は無し。

私はどう頑張っても睡魔には勝てないらしい。かつてはそう思っていた。

でも今は不思議なことに3時位までなら起きることができるようになった。しかし、未だにオールをすることはできない。もしかするとオールをするだけの体力がもう残っていないのかもしれない。

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夜更かしのきっかけは恋人との連絡だ。

普段会うことができないぶん、夜に連絡を取り合っていた。以前にエッセイでも登場したことがある私の恋人はそれはそれは可愛い人で(完全に私目線での印象と偏見)ぷよぷよのお腹を持っている。

ラインでの恋人の反応がとても愛らしくて「KAWAII!もっと!もっと!」とアンコールをした結果、いつの間にか12時を過ぎて夜更しゾーンに突入していることが多々ある。他の人から見たその時の私は、ただの惚気けたアホな人間にしか見えないだろう。私の眼中には恋人以外いないのだ。

話の内容はほとんどその日にあった出来事だ。朝、猫を見かけたという報告。空がこんなに綺麗だった!という写真。次に会うときは海に行きたいね!といった提案。

特別な報告は何もない。ただ淡々とその日に起こった楽しかったこと、笑ったこと、嬉しかったことなどをひたすらに話し合う。

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そんなことを話しているうちに4時間も経過してしまうことがある。「一日の6分の1をラインで使ってしまった!」とお互いにびっくりしてしまうときもあるが、それでも最後は「今日も楽しかった。おやすみ。また明日」で会話を閉じる。

他の人と会話するときは一言で完結してしまうことも多い。「話してみたいなー」と思っていたとしても、いつの間にか会話が終了してスタンプで終わり…といったケースも多い。

それに比べて恋人とのやり取りは延々と続く。お互い次の日にやることもたくさんあるのに、時間を忘れて話にのめり込んでしまう。

そうだ!これもきっと私の恋人がかわいすぎるせいなんだ!(?)という意味の分からない言い訳をしつつ、今日も恋人と話そうと思う。