これがおそらく「かがみよかがみ」さんで投稿できる最後のエッセイだろう、と思いながらカレンダーを見ると、もうすぐ10月も終わってしまう。
「え、もう10月!?あと2ヶ月で今年も終わり!?」と毎年思うのだが、今年もあっという間だった。大体この時期になると、私はこれまでやったことを振り返りたくなる。
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私には「願望リスト」というやりたいこと、叶えたい夢など箇条書きしたメモ帳を持っていて、不定期だがそれを見返している。達成したこととまだ達成していないことを振り返り、そして新しくやりたいことを書き足している。
リストを見ると、今年は10個ほど達成していた。偶然だったり、頑張っていた甲斐があったり、また親など誰かに助けてもらったりなど達成の仕方は様々だ。今年も色々頑張ったなー、としみじみ思う。願望を見返すと「9月までに-2kg」や、「デパコス購入」、「水族館に年3回行く」などジャンルも期間も様々だ。
しかし、共通点が1つあった。
「幼い時に憧れていた願望と同じだった」ことだ。
年齢や地位などが上がることで願望は大きく変わると教わったことがあり、自分も経験を積んでいくにつれ自分から家族やその周りの人たちに対する願望も変わっていく、と思っていた。
しかし願望リストの大半が自分に対してだった。「ホールケーキを一人で食べる」なんて、まさに子供じゃないか!?
気持ちはいつまでも若いままでいることは良いことではあるが、さすがに「気持ちが幼すぎ」と笑ってしまった。しかしその願望を変えようとは思わなかった。
リストに記載したことは、「自分ファースト」を望んだ自分そのものだからだ。
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あと何日かで30歳になる。20歳からの10年間を振り返ってみたが、「他人ファースト」の生活だった。新人の時は先輩たちの顔色を伺い、合コンでは気になる男性や友人の気分を害さないように気を張っていた。
実家に帰ると母からは「周りに気を遣いなさい」と口酸っぱく言われ続けた。他人に合わせて行動するのは自分で考えて行動するよりずっと楽だ。しかし、「ずっとそれでいいの?」と疑問に思っていた。そんな疑問を抱えていても変わろうとはしてこなかった。
過去のエッセイにも書いた通り、20代は狂いに狂っていた。環境に慣れなかったことや他人の問題もあるが、一番の原因は今まで自分の本心を無視して、他人のためと無駄に意識していたことだと思っている。他人が喜ぶ姿を見るのは嬉しかったが、自分は目の前にいる人ではない・・・。私は自分自身が一番辛かったことを無意識に表現していたのだった。
そのことにもう少し早く気付いていればよかった。
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さよなら、他人ファーストの20代。さて、30代はどのように生きようか?
私の2023年、いや今までやり残したこと、それは「自分ファーストで生きること」だと
気づいたこの瞬間、私は残り60日間をどのように過ごすかを考えてみた。これまでの自分を変えることはたった1日ではできないことは私も、そしてこのエッセイを読んでいる方も分かっているはずだ。約10年間他人ファーストだった自分にとって、心機一転することはたとえるなら棒高跳びで2m以上跳び超えることと同じくらい難しいと思っている。
しかし、「もう他人のことは十分に考えたでしょ?これからは自分の番!」ともうすぐ会える30代の自分が呼びかけている気がした。その声に惹かれるように、私は心の中で大きな一歩を踏み出した。
こんにちは、自分ファーストの自分。
いつかこのエッセイを読み返すことになる時、最大限に自分を大切にしている新たな自分になっていることを期待しながら「かがみよかがみ」を卒業する。