アルバイト時代の方が楽だったと思うのは甘えだろうか。学生を卒業後、社会人になって毎日だいたい8時間の業務をこなす。日中はほとんど会社に拘束され、朝早くに起きて夜遅くに寝る日常を、おそらく大半の人が過ごしているだろう。

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先日、アメリカのZ世代の女子が「9時出社17時退社を一生やっていくなんて耐えられない」と涙ながらに訴えた動画が物議を醸した。共感の声と甘えだと批判する声、両方の意見がXの中を飛び交っている。

私はZ世代と言われる年齢だからか、痛いほど共感できる。9時から17時まで、自分のプライベートの一切を投げ打って社会に捧げるのは楽な話ではない。甘えだと批判している人も、要は「辛いことを我慢できないのは甘えだ」と言っているわけで、9時17時働くことが辛いということを承知しているのだ。それなのに、どうしてそれを打開しようとしないのだろうと、ふと疑問に思う。

私が彼女の動画で特に共感したのは以下の内容だ。
「仕事内容に不満があるわけじゃないの。9時出社のために7時半に電車に乗って、早く帰れても18時過ぎ。職場近くに引っ越すのも無理。9時17時という勤務形態が狂ってる。もういっぱいいっぱい」

仕事をしたくないわけではない。仕事内容が嫌なわけでもない。ただもう少し余裕のある生活がしたい。プライベートの時間を大切にしたい。そんな彼女の訴えを「甘えだ」の一言で一蹴するのは、私からすればナンセンスだと思う。

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この問題に関しては、彼女も動画の中で言っていた「職場に歩いて行ける距離に住めば解決するんだろうけど」という点にフォーカスしなければならない。彼女のスケジュール上、現状は7時半から18時過ぎまで会社のために拘束されていることになる。

コロナ禍で失われたものは多い。でも得られたこともある。それがリモートワークだと思っている。

接客業や特殊な業種でもない限り、パソコンさえあれば家でも仕事ができる便利な時代だ。コロナ禍で多くの企業がリモートワークを推進しただろう。しかし今はどうか。着々と対面ワークが戻りつつある。私が前に働いていた商社もそうだった。受発注やメールのやり取りのみの仕事を、なぜリモートワークにしないのか。結局、私の前社は社長の昔気質な考えが邪魔しているだけで、論理的な意見が存在するわけではなかった。

そういう会社が世界中にあるのだと思う。効率化云々を顧みず、「今までそうしてきたから」という慣れで新しいことを拒む。新しいものをどんどん取り入れていく若者からすれば、よく分からない感覚である。

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ドラえもんは2112年生まれらしい。ということは、あと約80年もすれば、どこでもドアやタケコプターが完成されていることになる。それまでずっと通勤に時間を取られながら会社に勤めなければならないのだろうか。昨今の日本では、通勤にさえ税金がかかるかもしれないという話が出ている。一刻も早くどこでもドア普及してほしいところだが、リモートワークさえ拒むような世界では、文明が発展することさえ難しいのかもしれない。

アメリカの彼女が幸せになれる勤務形態は、ドラえもんは、いつになったら実現するのだろう。