今年ももう2ヶ月で終わり。
あっという間に過ぎていくこの一年と、変わったような、変わらないような自分。
仕事に資格の勉強にと、日々追われるなかで心の拠り所となっていた執筆活動。

その瞬間の今を整理するという意味でもとても助けられていた。
ただ、今年はまだ長編小説を書くことができていない。
去年よりも多くの経験をした私だからこそ、忙しい中ではあるが、長編小説へと手を伸ばしたいと思っている。

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去年までが忙しくなかったわけではない。
しかし、プライベートの時間に優先して取り組む事項がなかったこともあり、執筆を精力的に実施することができたように思う。

かがみよかがみへの投稿はもちろんだが、公募サイトから様々なテーマを見つけ、エッセイも小説も関係なく、自身の知見をもとに書きたいことを書いていた。

多くの文章を書くうちに、同じ、書く分野でも、実体験をもとにしたエッセイを書く方が、想像や思考を働かせる小説よりも、自分には書きやすさがあった。

粗いとはいえ題材がすでに存在し、あとは研磨の方法や磨き方を変えて魅せるエッセイが私の性に合っているのだと思う。
だからと言って、小説を書くことが嫌いわけではない。

しかし、すでに原石が存在するエッセイとは異なり、小説は自ら炭鉱に原石を探しに行くところから始まるため、エッセイより少しだけ工程が複雑だと感じるのだ。

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さらに、せっかく採れた原石だとしても、私自身に技量がなければうまく磨くことができずボロボロになって終了することも少なくなく、慎重になり過ぎれば逆にありきたりな作品しか生まれない。

そうして生まれた作品たちに満足しないこともあり、途中で止まった小説も多い。

しかし、本当の意味で自分の手から、0から何かが生み出される瞬間というのは、何物にも代え難い達成感を与えてくれる。

そんな小説を書き上げるためには莫大なエネルギーが必要なのだが、今年はいささかエネルギーが上手く蓄積されず、重い腰を上げることができなかったのである。

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そんな私が、満を持して書き始めようと思ったきっかけは、夏のプロット公募だった。2000字程度であれば今の私でも書くことができると、エネルギーを絞り出し小説サイトに投稿した。

後日サイトを訪れると、なんと複数のいいねのがついていた。

プロットとはいえ、反応をいただけたことに感銘を受けていると、反応をくださった一人が、なんと、私のプロットを題材として長編小説を執筆してくださったのだ。

後から知ったのだが、集まったプロットを題材として長編小説を書く応募がサイト内で実施されており私のプロットを採用してくださった方がいたというわけだった。

私は書いてくださった小説を穴があくまで読んだ。

自分の作品が人に繋がった喜びと、もっと多くの人と喜びや感動を共有したいという思いが、私の重い腰をあげた。

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現在は絶賛、原石を探す旅に出ており、様々な炭鉱を巡っている最中だ。
久々の旅となっているため、感覚が鈍っているのか原石を探すのも一苦労だ。

しかしそれ以上に、どんな物語を描こうか、みんなと何を共有しようか。
そんなワクワクが止まらない。

少しずつ、集まってきた石たちを今度は綺麗に、自分らしく磨き上げたい。
日々の生活に私の心自体がすり減らされることもあるだろうが、長編小説を書くためにパソコンのキーボードを動かす。
自分の、そして読んでくださる方々との感動の共有となることを祈って、一文字一文字、言葉を紡いでいくのだ。