かがみよかがみに投稿し始めてすぐの頃、アトピー性皮膚炎を抱える辛さについて綴ったエッセイ「アトピーに主人格を乗っ取られる感覚。人間は痒みの前では無力だを投稿した。

◎          ◎

このエッセイが掲載されてから半年ほど経つが、症状はそれほど改善していなかった。

もう何年も皮膚科で塗り薬と飲み薬を貰っているけれど、ちょっと良くなったと思ってもまたすぐ悪化して、少しするとまたちょっと良くなって、でも悪化して…というのを繰り返すばかりだ。

しかし、2週間ほど前、この状況を打開してくれるかもしれない出合いがあった。

◎          ◎

仕事終わり、帰り道の途中にある薬局に寄ったときのこと。大した目的もなくタラタラと店内を歩きまわっていると、ある商品が目に留まった。それは、入浴剤だった。

私は普段、入浴剤は使わない。そもそも、週の半分も湯船に浸かるかどうか怪しいくらいだった。そんな私が何故この入浴剤を気にしたのかというと、アトピーの人がSNSで勧めていたのを覚えていたからだ。

ボトルを手にとって見てみると、お風呂上がりの乾燥を防ぐという趣旨の表記があった。「『セラミド』の働きを補いしっとり潤う」、とのこと。

防げる肌の乾燥は全て防ぎたいという思いは、肌が荒れやすい人間なら皆が持っているのではないだろうか。というか、健康な皮膚を持つ人間であっても、乾燥は避けられるなら避けたいだろう。

その上で、ちゃんとしている人は、お風呂上がりに全身に保湿クリームを塗ったりしているのだろうけれど。残念ながら私は、毎日そのようなことを地道に続けられるタイプではないのである。

このアイテムで、少しでも状況がよくなれば。半ば願掛けのような気持ちで、ボトルをレジへと持っていった。

◎          ◎

そして、そこから2週間ほど使用してみて、今。
微妙に、わずかにだけれど、症状が良くなっている気がする。

こんなに長々と前置きしておいてその程度の効果なのかよ、と思われたかもしれない。

まあそれはそうなのだけれど、何年も改善しないこの症状と付き合い続けている身からすると、このわずかな変化でもすごくありがたいのだ。
きっとこの製品による効果を何も感じられない人もいるのだろうが、私の症状には合っていた。もっと早く買っていればよかった、と思わなくもないが、そう思ってしまうと損をした気持ちになるので、今買っておいてよかった、と思うことにする。

このエッセイを書いているのは、11月8日。11月ももう2週目となってしまった。今年は残り7週間とちょっと。できれば、この期間でアトピーをある程度治してしまいたい。
もちろん、完治に至るのは難しいだろう。さすがにそこまでは望まない。

今が症状の重さレベル5だとするなら、3くらいには落とせたら良いな、と思う。

そのためには、この入浴剤の効果の活用が不可欠だ。ちゃんと毎日湯船に浸かって、ちょっとはマシな肌で新年を迎えたい。