私の直感は大体あたる。余計だな、と思いつつ首突っ込むと痛い目みるし。
この人と付き合ったら絶対幸せになれないな~と思うと、幸せになれない。
芯がありそうと思ったら、成功体験沢山ある凄い人とかもある。
小さい頃から繊細なうえに、色々な土地を転々としてきたから、どんな環境でも、もめ事を起こさないように生きるのが癖になってる。人を見て知り、適応するために、観察眼や経験値も相まってあたるんだと思う。
そんな私の直感で、この人は「愛されるべき」と思った人がいた。
なんとなく、大事にされないと壊れそうだなって、感じた。
◎ ◎
彼は、とにかく優しい。多分、まっすぐに人を愛せる人なんだと思う。
欲しい時に欲しい言葉をくれる。自己主張はしっかりする癖に、最後は絶対折れてくれる。だから女の子にいつもキープされてる人。
彼と話すと少しイライラすることもあった。彼の好きな女の子は、彼の事を「友達としか見てなかった」と振り、でも遊びに誘い、再度告白したら、「そうじゃない」と彼を振った。
女の子に対して、「人の好意に誠心誠意向き合え!」って思って。
彼には、「キープなんて自分の価値を下げることするな!女なら沢山いる!男なら1番目指せ!」って思ってた。
自分には関係ない事だし、余計な事だけど、優しい彼をキープする女の子にも、キープされ続ける彼にもイライラしてた。
とはいえ、私も彼の優しさに魅了された1人だったから、独り占めしたい気持ちが分かる部分もあった。それくらい人として魅力的だった。
私は彼の恋愛対象でもなかったし、私も彼に恋愛的な興味がなかったから、ただ神様に「私が彼に助けられた分、彼を愛してくれる良い人を」って願ってた。
まあ、そんなこと私が願うことではないし、無責任でおこがましいなと思いつつ。
◎ ◎
案の定、私の想いは届かず、彼は失恋からか、若気の至りか、恋愛はそっちのけで、遊ぶようになる。「ああ、やっぱり壊れたな」と思うと同時に、願いがかなわなかった事を少し悔やんだ。それからは、壊れる彼が嫌で、少しずつ避けるようになった。
出会ってから2年が経ち、コロナが訪れた。彼は自粛要請を守り、遊ばなくなってた。
なんとなく、私は彼と話してみようと思って、少しずつ話すようになった。その流れで、2人で遊ぶことになった。
デートの日、私は女として見られたくなくて、すごくダサい恰好で行った。韓国で買った1000円のデニムに毛玉だらけのカーディガン。
それなのに彼は、「気遣い上手で、嫌な思いが1つもなかった。楽しすぎた」と絶賛してくれた。自分の悪意が恥ずかしくなった。
それから何度もデートをした。私は彼氏を作る気はなかったけど、彼の優しさが居心地よくて、独り占めしたくて、甘えた。告白されたら選ばなきゃいけないから、何度も「彼氏を作る気はないよ」と伝えた。手口は異なっても、あの女の子と一緒だな、なんて思いながら。
そんな私の想いとは裏腹に、彼は私に告白した。私は答えを決めてた。
「人の好意には誠心誠意向き合う」「彼は愛されるべき人」だから、私が彼を愛するし、幸せにする。
◎ ◎
出会ってから5年、付き合って3年がもうすぐ経つ。沢山喧嘩もして、もうこの人のことは愛せない!って思った瞬間もある。でも、彼を壊したくないし、自分との約束を破るのも嫌で、一緒にいる。
最後に。やっぱり、私の直感はあたると思う。他人の人生、余計なことは願うべきじゃない。
でも直感を信じて彼を選んだから、今、私は凄く幸せ。
だから私は、付き合うか悩んだら、最初の印象や直感で決めたら良いと思う。それが1番正しいし、当たると思うから。