私はスマートフォンを手放す必要はないと思っている。それは今もそうだ。しかし大学生になり上京し、東京という大都会に揉まれる日々を過ごしていくうちに「スマホなんてなければよかったのに」と思う時が生まれるようになった。
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そうなったきっかけはSNSを通して無意識に周りと自分を比べてしまっていたことである。インスタグラムでは友人の幸せそうなキラキラした姿を、Twitter(X)やtiktokでは他人の幸せそうな写真や動画が自然と目に入ってきた。
自分がうまくいっていないときにこのようなものを見ると、とてもみじめな気持ちになるのである。もちろんその人たちにも闇のような暗い部分があることはわかっているのだが、見える部分しかわからないとそこまで考えられないのである。
また、LINEでは好きな人からの返信がまだかまだかとずっとスマホを握りしめ、挙句の果てにはインターネットで「好きな人 返信来ない」などと調べ始めるのである。この流れは一貫してスマホで行われており、現実の周囲のことは全く視界に入っていない。我に返ってからこのような行動を振り返ったとき、自分のことがとても嫌になるのである。
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このような時に出会ったのがサウナである。当時から現在にかけてサウナが若い男女に流行っていた。サウナは温泉の中にあることが多く、またサウナ専門施設でも温度が高いためスマホは持ち込むことができない。
サウナはフィンランド発祥で、高温になった室内に入り体を温め、発汗する温浴法である。流れとしてはまず体を洗い流し、サウナルームに入り(7~12分ほど)、水風呂で体を冷やして外気浴という流れである。
サウナルーム~外気浴を3セットほど繰り返すのがマイルーティーン。サウナを趣味として定期的に取り入れることによって、週1度のペースではあるがスマホから離れる時間が取れるようになった。
他にも3つメリットがあった。1つ目に、発汗による美肌作りである。発汗によって肌の化粧汚れが落ち、肌がトーンアップしたのである。2つ目に、無の時間である。サウナはただただ熱さに耐える時間で、外気浴ではただただぼーっとする時間でもあるため、無になる時間を作ることができる。その際に今まで悩んでいたことを全て忘れ、ストレス発散にもなるのだ。
3つ目に体調管理である。サウナは一歩間違えると身体に大きな負担をかけることになってしまうため、サウナ中に気分が悪くなったり熱さに耐えられなかったりすると、日常生活ではわからなかった体調の変化に気づくことができるのである。
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私の場合はスマホを見ないというだけでは、スマホ内で起こったことを反芻して考えてしまうため、ただただスマホを手放すだけでは意味がなかった。その中でもサウナは私に必要なスマホを手放す時間+無になる時間を実現してくれたのだ。
今でも週一度、定期的にサウナへ通っている。今後も通い続け、発汗による外側からの美とスマホのストレス解放による内側からの美を追求していこうと思う。