長らく医療機関に勤めていた母は、 2020年にコロナが流行してからというもの、いたく騒がしい社会を少しだけ否定的な視点で見ていた。
三密を控える/黙食/買い占め/リモートワーク/緊急事態宣言など、さまざまなコロナ関連のトピックでニュースが流れていたとき、
「確かにコロナで苦しむ人がたくさんいるのは事実だけど、コロナで世間の雰囲気が暗くなる一色になって嫌になっちゃうわ」

なんて言っていた。

そんな中母がよく訴えていた、コロナの名称改変希望の意を、「どこに訴えていいかわからない!アンタなんとかして世間に届けてよ!」とのことだったので、ぜひこの自由度高く意見を述べることができる「かがみよかがみ」で取り上げてほしいと思い、投稿させていただいている。

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以下母の言葉。

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コロナ、コロナと叫んでから、4年が過ぎようとしている。
そろそろ、コロナの呼び名を変えてcoronaの頭文字を取ってインフルエンザCに変更した方がいいのではないか。
コロナの脅威は世界中を駆け回り、コロナという単語は悲しい4年間を思い出させる。コロナと聞くだけでトラウマになっている人が殆どかもしれない。
インフルエンザCなら、インフルエンザAとインフルエンザBの次に名付けたものだから。

トイレットペーパーやらアルコール消毒液やらマスクやら我先にと買い漁った。
沢山のお店が閉店になった。
有名人も亡くなった。
中には親族やら友達を失った人もいる。
この悲しい記憶を少しでも和らげる為にも、インフルエンザCという名前に変更して欲しい。
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うん、確かにコロナと聞くとうわっと蘇る記憶。
私の場合は、高校時代猛勉強し苦労して入った大学に行く機会が少なくなったし、バイトのシフトも減らされお金に困った。
せっかく入ったゼミだって、卒業までに3回しかゼミ生と対面で会わなかった。
大好きだった海外旅行にも行けなくなったし、その行けない苦しみを声に出すだけで、「医療従事者の人は頑張っているのに!」という言葉で批判されるのが怖くて、苦しみの共有ができなかった。
人とのコミュニケーションが大好きなのに減ってしまい、1人で寂しい毎日を送った。
コロナ=暗い大学生活、言いたいことが言えない情景が思い出され、ちょっとだけ物悲しい気持ちになる。

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確かに母の言う通り、コロナを「インフルエンザC」という新たな呼び方変更することで、辛い思い出を少しは緩和できるかもしれない。
でも、もちろんコロナが要因で亡くなった人を忘れてはけないし、逼迫した中踏ん張ってくれた医療関係者、ワクチンを開発してくれた研究者の皆様には頭が上がらない。

コロナで起きた出来事を風化することは絶対に良くないとは思いつつも、新たな名称にして、トラウマを乗り越えて共存していくという考えがあってもいいかもしれない。
実際最近は「インフルになった!」と「コロナになった!」が、近い温度感で話されている気もするし。 母のう「インフルエンザC」への改名共感をする人、いてほしいものだ。