わたしのおまもりは、大親友からもらったネックレス。このわたしのおまもりについて説明するには、まずはわたしと彼女の深い友情についてまず語る必要があります。
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彼女とわたしは、学校も違い、お互い全く異なる環境で生きてきました。私のはじめてのバイト先であるメイドカフェで私たちは出会いました。当時わたしは看護学部の1年生。彼女はメイドカフェが本職でした。はじめて会った日から、波長があうというのはこのことなんだと思うくらいに馬があったわたしたち。
彼女は可愛くて明るいけれど、たびたび心を病んでしまう子で、わたしも高校の時にうつ病を患い、のちに再発しました。心の病みは健康な人には想像することが難しく理解されないことも多いもので、心の病みを共有し支え合えるという共通点があるわたしたちの心の距離は日々を重ねるごとにますます近くなり、常に隣にありました。
彼女が腕を切ってしまった時や、パニックで泣き叫んで電話をかけてきた時もわたしは寄り添うことができました。同じように、わたしの心の病みが現れる日は彼女が寄り添ってくれました。
外国のとある地方には一生涯の親友だとお互いに誓い合う姉妹妻(しまいづま)という文化があるそうです。きっとわたしたちが、その土地で生まれて出会っていたなら、きっと姉妹妻になっていただろうと心から思います。
私のおまもりは、名のある神社のお守りでも、パワーストーンや十字架などでもなく、大切な大切な親友からもらった、お花のネックレス。
彼女と一緒に出かけるときはもちろん、おしゃれをする時、写真に撮ってもらう用事がある時、特別な場所にいくとき...兎に角、わたしの人生において大切な日に身につけています。
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このおまもりがあって、1番心強いと感じたのは看護師の国家試験の時です。当時私は看護師免許だけでなく、他の免許取得の勉強も同時にしていました。そして、二つの免許取得のための勉強に加え、卒業論文にも追われていて、高校生ぶりにうつ状態になりました。
心も体も辛くて重くて、勉強に身が入らず、正直看護師の試験は通らないのではないかと思うことも多々ありました。抗うつ薬も飲むようになり辛い日々でしたが、彼女はわたしをずっと支えてくれました。
それでもやれることはやり、満身創痍の状態で試験会場に行きました。試験会場にはおしゃれをしていく気力は正直なく、ノーメイク、だる着で向かいましたが、胸元には親友からもらったネックレスをつけて武装していました。このネックレスをつけると、身も心も強くなれるのです。
わたしは、無事に看護師の免許含め大学のうちにとりたかった免許は全て取ることができ、留年もなく卒論も終わらせて次のステップに進んでいます。
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わたしのおまもり、それは親友からのネックレス。そして、彼女という親友がいるという自信も、おまもりなのかもしれないな、とこれを綴りながら考えています。おまもりのおかげでわたしは、強くなれています。今までも、そしてこれからも。