デジタルデトックス。

それはスマホ依存症の私たちが、スマホや電子機器から離れ、自然や日々の生活のありがたさを実感するために行う、ある種の修行や苦行ともいうべき取り組みのことである。「デトックス」と言われるほどに、スマホや電子機器は、その便利性とは裏腹に、私たちの生活に毒素となる面も持ち合わせているということだ。なんと皮肉なことであろう。

私も、スマホの毒素にやられている人間の一人だ。意味もなくスマホをながめて1時間2時間、YouTube→インスタ→Twitter→漫画アプリ→YouTubeの繰り返し。空費された時間が過ぎていく。この時間に一体何冊の本が読めて、何本のレポートが書けただろうか。

しかし、私には苦行ではなく、いとも簡単に、自然に、デジタルデトックスができる期間がある。何たる幸せ。

それは、帰省している間である。

最も幸せなデジタルデトックス

私は、普段大学に通い一人暮らしをしている間は、前述の通りスマホの画面にとらわれている。もはや目がスマホにくっついているのではないかと思うほどに。しかし、長い春休みと夏休みの約二か月間ずつ、そして年末年始に帰省するとき、私のスマホの使用頻度は激減する。

なにも、デジタルデトックスをしようと思って帰省をするのではない。特別ルールを課してスマホ禁にするのではない。しかし、自然となぜか、スマホの画面を見る回数も時間も減る不思議だ。

まず、家族と会話をしている時間はスマホを触らない。そして特に会話がなく暇な時間も、なぜかスマホではなく本を読みたくなるのだ。小説だったり、漫画だったり、実家にあってもう何度も読んでいる本なのに。なによりやはり、一番スマホを使うはずの夜の時間が、実家では家族でテレビやアニメを見たり、おしゃべりをしたり、ご飯・かたづけ・お風呂などで使われることだ。これが一番大きい。そして、電気代がもったいないのでリビングや部屋の電気を消されると、すぐに寝てしまう。

帰省中=デトックス中。返信速度は低速です

何と健康的で素敵な暮らしだろう。ネトサをする時間もなければ、普段は秒で返すLINEやDMの返信さえ、億劫になってしまうのだ。無理をしてスマホを我慢するのではない。むしろスマホを触りたくなくさえ、ある。普段あんなにスマホに囚われている私が、スマホを触る時間がないなんて。

家族と話して笑うので、幸福感はひとしおだ。

家族との団らんが楽しくて、スマホを触らなくなるなんて、これほど幸せなことはない。家族への感謝は、離れてからこそより実感するもの、とはよくいったものだ。東京はたくさん楽しいこともあるが、疲れる面もある。それはさながらスマホのようだ。

東京がスマホのようなのか。スマホが東京のようなのか。

東京も、実家も。

東京も好きだ。便利で楽しい。東京でやることもいっぱいあるし、欠かせない存在だと思う。「帰るのめんどくさい」と思ったり、地元で就職するのは無理だと思ったりする。

でも、私のような人間には、田舎でのデトックスが必要だ。

実家で羽を休めるからこそ、また東京で羽ばたける。休息の場があることの、幸せと感謝を忘れずにいたい。

そんな私も冬休みの帰省から東京に戻って早1週間。

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先週に比べて画面を見ている時間は71%増えました。