私は恋をした。一生忘れることのない恋を。
あなたと出会ったのは大学二年生になったばかりの頃。同じ大学で学科も同じだったけど関わる機会が全然なくてこんなに面白い子がいるなんて知らなかった。
あなたといると楽しくてずっと笑ってて、新しい世界を教えてくれる。大学進学のタイミングで宮崎から東京に出てきて、こんなに笑いのツボが合う友達いなかったから、この子といたら今後の大学生活絶対に楽しいし最高だなとか思ってた。
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いつからなんだろう。あなたのことを好きになってしまったのは。
自分でもわからない。この気持ちが恋愛感情なんだってホントはもっと早い段階で気づいていたのかもしれない。でも認めたくなかった。だって私は女であなたも女で私たちは友達だから。
そして希望を抱いているわけでもなかった。あなたには好きな人がいた。女同士だからそういう問題でもないけれども(笑)、それでも好きって気持ちはなくしたくてもなくせるものではなかった。
一緒に過ごす時間が増えるにつれあなたへの気持ちはどんどん大きくなっていた。何で好きになったのか今ならわかる。男性しか好きになったことのない私をここまで好きにさせたあなたは本当に魅力的な女の子なんだね。あなたといる時間が一番楽しいし幸せ。
だけどあなたが好きな人の話をしてる時私はどうしようもないくらいに苦しかった。私の頭の中があなたでいっぱいなのと同じようにあなたの頭の中は好きな人のことでいっぱいだった。そんなのわかってた。でもその事実を痛感するたびに勝手に傷ついて落ち込んだ。
そんな姿をあなたに見せたくなかった。必死に毎日隠してた。この気持ちがばれないように、あなたが好きな人のことを考えてる時もなるべく明るく振舞った。
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あなたが私の目の前で好きな人に電話して振られた日、私は心に決めたんだ。この気持ちは死ぬまで隠そうと。私は一番近くであなたを支えなくてはならない。
目の前で振られて泣き崩れるあなたを見て、私は涙をこらえられなかった。何で?何で私はこんなにあなたのことを毎日考えて思っているのに私ではあなたを幸せにできないの。幸せになってよ。
あなたは私に、自分の失恋で一緒に泣いてくれる友達初めてだって、ありがとうって伝えてくれたけど、私はあなたが思っているような理由だけじゃなくてもっと複雑な真っ暗な気持ちで泣いていたんだ。最低だね、ごめんね。
私は行き場のない自分の気持ちをあなたが幸せになることで完結させようとしていた。
嫌だけどもっと特別な存在になりたいけど。あなたが笑って幸せでいてくれる。それだけでいい。
そうすることでまた友達に戻れる。そう信じていたんだけどそんなに簡単なことではなかった。あなたが落ち込む横で一緒に落ち込む私にあなたは不信感を抱くようになって、ついに何なの?って聞いてきたね。ごめんね。限界だったんだ。
その日に私はすべて話した。好きになってしまったこと。大好きだったこと。話し終えて泣いてぐちゃぐちゃになった顔を上げるとあなたも泣いていたね。何で君が泣くの。ごめんね。
友達としてこれからもよろしくってことになって今も一緒にいてくれてるけど、あなたにはきっと重荷だよね。明日も夜のみに行く約束してるけど、私のせいで疲れてるんじゃないかって考えてしまう。
私が好きにならなければこんなことにはならなかったのにね。馬鹿だね。本当にごめん。
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でもねあなたのこと好きになったこと、後悔してないよ。あんなに人のこと好きになれるってなかなかないと思う。
あなたの幸せが私の幸せ。映画とか小説で何度か聞いたことのあるこのセリフの意味が初めてちゃんとわかったんだ。ありがとう。
この恋をして苦しいことの方が多かったけど、そんなのも含めて楽しかった。あなたの些細な言動に勝手に悩んで落ち込んで喜んで。そんな毎日がいつか思い出話としてあなたと笑って過ごせるときが来るかな。来ないかな(笑)。
とにかく今はいろんな思いにまた蓋をして、でも自分にだけは素直に生きてみようと思う。
幸せになってね、私もなるから。