最近では「性」について考えさせられるニュースに、私は興味を深めることが増えた。ジェンダーレス、生理の貧困や月経前症候群といった女性特有の性に対する悩みが、オープンに語られていることに、少し世の中の進歩を感じる。

特に生理については女性だけではなく男性も勉強する機会があっていいと思う。男性には関係ないことかもしれないけど、将来誰かとお付き合いするとなったときや結婚した際に、パートナーの気持ちを少しでも理解できれば最高な関係を築けると思う。

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令和の男性が生理についてどのくらい理解しているのかは、人それぞれである。そのなかでも月経前症候群について理解度が高い男性は、どのくらいいるのだろうと今すぐにでも私は分析したいくらいだ。ただ7日間出血することが生理ではない。生理の10日前から頭痛や腹痛、腰痛、倦怠感、さらには些細なことでも涙が出るほど悲しくなったり、怒ってしまうこともある。そんなネガティブな感情にさせる生理がない男性をすごく羨ましく思う反面、その症状の辛さを気軽に男性とも共有できる世の中になればいいと願うばかりだ。

数年前にアスリートが大会前の過酷な練習が体に負担となり、生理がとまったというニュースを見たとき、女性としてとても他人事だとは思えなかった。女性を振り回す生理と共存する期間は、50年近くになる。それも定められた閉経期間通りに生理を卒業したとして、そのときには60歳ほどになっている。人生百年時代の半分を、月1回訪れるやっかいな生理と戦わなければいけないと思うと、もう目の前が真っ暗になるのだ。

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女性同士では共有できるけれど、恋人やパートナーに正直に生理の苦しさを伝えられるかと問われると、まだまだためらってしまう女性のほうが多い。苦しいよりも恥ずかしいが勝ってしまうなんて、もう懲り懲りだと思いながらも、カッコつけることを繰り返す。そんな生理の症状から負担軽減するために低用量ピルを用いることもニュースで知ったことだ。しかし低用量ピルを使うまででもないような、生活に支障が出るようで出ない月経前症候群は、ピルを服用する判断が難しい。

そう考えると「男女平等」という社会の実現は、難関だし、それを叶えることは極めて無謀な計画である。もともと生物的に男性と女性の身体の仕組みは全く違う。女性にはこのように毎月辛く憂鬱な気分にさせられる生理があるから、大きなハンデだ。それに比べると男性は気軽で身軽なんじゃないかと思ってしまう。生理痛を体験する機械で、男性に生理を体験するイベントを行った自治体がテレビで報道されていたけれど、そんな機械で生理痛は体験できても月経前症候群は体験できない。一生、分かり合えるわけないと諦めたくないからこそ、生理についての知識と女性への寄り添い方をもっと気軽に勉強できないのだろうかと私は考えたりする。特に生理前になると、すごく考えてしまう。

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もし性を選択出来て一から人生をスタートできるとしたら、私は迷わず男性として生きたいと思うほど、生理は厄介だ。中高生の頃は月経前症候群も生理も、幸いにも生活に支障が出るほど顕著なものではなかった。20歳になって周期が安定してきたころ、月経前症候群の症状を調べたくなるほどの倦怠感に襲われた時、もうすぐ生理だからかとため息をついたことがある。その頃から私はニュースで生理という言葉を耳にしたり、ネットニュースやYouTubeなどで性の悩みを共有する大切さを書いた記事をよく読むようになった。記事を読んでいる時間はただ共感するだけではなく、人生の半分を共にする生理とどう向き合えばよいのか、真剣に考える機会だと思っている。

現在21歳の私が生理を卒業するには、まだ30年ほどの時間がある。この女性だけに与えられた長くて絶望的な闘いをどう切り抜けるかは、女性だけではなく男性にも考えるチャンスがあるはずだ。