ハロウィンやクリスマスなど、イベント時期のお菓子売り場が好き。たいてい限定デザインが出ていて、たいてい可愛いからだ。

もちろんバレンタインも例外ではない。このテーマを見て、『そういえばもうそんな時期か……。見に行きたいな』とワクワクさせられてしまった。

しかし、デパートで開催されるサロン・デュ・ショコラといったフロア全体を使う大祭典にはほとんど行かない。行きたい気持ちは山々だが、私にはパワーが足りないのだ。

そんなときにぴったりなのが、いつものデパ地下やスーパーセンターのバレンタインコーナー。バレンタイン欲をちょうど良く満たしてくれるのである。

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いつからか、自分用のチョコ=「自分チョコ」が一般的になっていた。サロン・デュ・ショコラでもそういった需要が増えているに違いない。私も1~2回どんなもんかなと見に行ったことがあるが、これは無理だと思った。

あそこは「何としてもチョコを手に入れてやる」というパッションがないと勝ち抜けない場のような気がする。見るだけでも……という軽い気持ちで行くと、ショーケースすら見れない(開催地や日時にも依るだろうけど)。

さらに、あの空間にあるのはほとんどが普段お目にかかれないような高級チョコレートたち。衝動買いできる価格帯でもなく、ショーケースを拝めたところで買えないのが関の山。結果、人混みにもまれて大変だったという記憶しか残っていないのだった。その点、デパ地下や大きめのスーパーのバレンタインコーナーはちょうどいい。

特に私がよく足を運ぶショッピングセンターのバレンタインコーナーはスペースも比較的広くとられており、そして人もそこまで多くないのでゆったり吟味することができる。すぐに人酔いする私にはうってつけの場所だ。

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珍しいメーカーこそ少ないが、お馴染みのお店の限定商品が見られるのはやはり楽しい。そしてバレンタインコーナーの常連には黒猫モチーフを毎年出している「ゴンチャロフ」もいらっしゃる。

ゴンチャロフは神戸のお菓子メーカーで、バレンタインには絵画モチーフや洋酒入り、高級感のあるものなど様々なシリーズの限定商品を提供している。

そのなかでも私が好きなのが「ゴンチャロフ アンジュジュ」というシリーズで、イラストレーターの宮崎一人さんがデザインされている黒猫がメインモチーフ。5個入りのお手頃サイズをはじめレターセット付のものなどバラエティ豊かなラインナップだが、私はそのなかでも細長い缶が特に好き。

ペンケースにもなりそうなちょうどいいサイズ感で(一時期缶ペンって流行ったよね。二段になっているのが人気だった記憶がある。落とすとうるさくて大変なんだよな……ってこの話はどうでもいいですね)、ちょっと丸みを帯びた感じがなぜかグッとくるのだ。

ってこれを書いているうちに今年のデザインが気になってしまった。ちょっと確認してきます!……ただいま戻りました!

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今回のテーマは「スター&ムーン」。

細長い缶は背景がオーロラのようなグラデーションになっており、4匹の猫が描かれている。キャラクターが可愛いのはもちろん、このグラデーションは缶にプリントされることでより輝きを増すのだろうなと想像が膨らむ。

ちなみに昨年は母からゴンチャロフをもらったのだが、それは正方形型の缶だった。紙ではなく缶が好きなのは把握してくれていたが、さすがに形状はテレパシーでもない限り無理である。

しかし私自身タイミングを逃して購入できていなかったのもあり、『嬉しいんだけど惜しい!』と、もらった分際で非常に失礼な気持ちを抱いてしまった。

買ってくれた母だけでなく、100%の喜びで迎え入れられなかったチョコ自体にも悪いことをした。だから、今年はちゃんと自分で買いに行こうと思う。無事に買うことができればこれで3つ目になるから、コレクションらしくもなるのではないだろうか。

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サロン・デュ・ショコラに比べればハードルは低いといっても、普段は200円台のチョコもひよるくらいなので購入には思い切りも必要となる。

しかし1年に1度の、世間的にも大推奨されているこの時期を逃すなんてもったいない。これを書いたことでより決意も高まったことだし、今年は「自分チョコ」を買いに行くぞ!