今まさに、私はキャリアの壁と対峙している。
安定をとるか挑戦をとるか。
数ヶ月後には結果を出さなきゃならないのに、まだうじうじして決められないでいる。

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派遣社員として大手ホワイト企業で働いているのだが、契約満了日が半年先に迫っている。派遣社員は3年以上同じ職場で働くことはできないというルールがあり、その期限がすぐそこに見えているのだ。

私が持っている選択肢は2つ。それが「安定」と「挑戦」の道だ。
ここで言う「安定」とは、無期雇用の派遣社員になること。所属しているポストが無くならない限りは同じ仕事内容で働き続けることができる。
一方で「挑戦」とは、契約満了と同時に今の仕事を辞め、独立すること。自分次第でいくらでも仕事を作り出すことができる。
もちろん、違う派遣先を探すとか正社員採用のための就活をするとか、他にも道はあるけれど今の私にはこの2つが最善だ。

では、どうして「安定」と「挑戦」の中で揺れ動いているのか。
そもそも「挑戦」の道を選びたいと思ったのは、趣味にかける時間がもっと欲しいからだ。

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今の職場は、これ以上は無いんじゃないかと思うほどクリーンだ。人も条件も良い。与えられるのは誰にでも出来て責任の軽い仕事だが、それを信頼して任せてもらっている。

何が問題かというと、私の趣味が旅行であること。

平日はまず動きが取れない。だから旅行しようとすると、基本的には土日か大型連休で計画しなければならない。1泊2日では行ける先がかなり絞られてしまうし、そもそも外資系の会社だから大型連休はゴールデンウィークしかない。実家に帰省するのも一苦労だ。休暇取得やテレワークも気軽に出来るが、正社員ではない私にとっては、それにも限度がある。
とても良い職場であることは間違いないが、雇われて働くとなると一生これと付き合っていかなければならない。

そうして悩む中で、独立してフリーランスとして働くという選択肢が出てきたのだ。
場所を選ばず働ける働き方があると知り、まさに私のための働き方なんじゃないかと思ったほどだ。
もちろん簡単なことではないのは重々承知している。現に今、独立するために勉強を進めているが、その難しさに心が折れそうになる。

自分で仕事を選び、作り出し、成果を上げる。
ここに辿り着くまでにものすごい努力が必要なのは確かだけど、やってみる価値はある。

ではなぜ「安定」を切り捨てられないか。
理由は簡単で、「挑戦」が成功する保証なんて1%もないからだ。必死にスキルを身に付けても、それを発揮する場に巡り会えないかもしれない。無給期間が想定より長くなるかもしれない。
最初はみんなそうだと言われても、不安なものは不安だ。知らないものは、怖いのだ。

今の職場が心底辞めたいような嫌な場所だったら、答えを出すのは簡単だったのに。
あいにく「安定」を選んでもメリットはたくさんあるのだ。むしろ職場への不満はほとんど無いのだから。

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「安定」を選ぶと、条件が良い中で守られて働き続けられる。
先が見えてしまっている分、これからどう生きていこうか計算しやすい。

「挑戦」を選ぶと、自分の力やスキルで仕事を獲得できるようになる。
誰でも出来るタスクから卒業し、より情熱を持って働ける。

どちらを選んでも一長一短で、嬉しいこともあれば大変なこともあるだろう。
だけど人生設計を考える上で、仕事というものはかなりのウェイトを占める。どんな仕事を選ぶかによって「私」が作り上げられると思っている。
何に重きを置いて、何を目指し、何を掴みたいのか。
考えれば考えるほどどちらかに傾いて、次の日にはやっぱりこっちかも、なんて堂々巡りをしている。

正直、私の「安定」の道はただの「逃げ道」なのかもと、気付き始めている。

あの時「挑戦」を選んでいたら、というたらればはしたくない。
期日までもっと悩んでみる。

これが今私がぶつかっているキャリアの壁の話。