インスタグラムに友達の顔が写っている写真を載せるときには、本人に載せていいか確認する。

これは私の中では絶対やらねばならない工程なのだが（ついでに投稿とストーリーのどちらに載せるかもなるべく事前に報告するようにしている）、案外スキップする人が多いように思う。

きっと、その人たちに悪意はない。そもそも、他人の顔写真の良し悪しなんてあまり分からない。飛び抜けて写りが良いもの、悪いものは流石に分かるけれど、そうでない限り大体一緒に見える。しかし、だからこそ確認が必要だと私は思う。

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何度かエッセイに書いているが、私は学生時代に振袖姿の前撮りをするスタジオでアルバイトをしていた。

１００枚ほど撮った写真の中から、アルバムに入れる写真をお嬢さん本人やご家族に選んでもらうのだが、驚かされることが何度もあった。「えっ、そっちを残すの！？」「それよりもこっちの方が絶対可愛いのに！」と思ってしまうような選択をするお客さんがいっぱいいるのだ。もちろん、口には出さなかったけれど。

他のスタッフも同じように言っていたので、私に写真選びのセンスが無いということではないと思う。要するに、本人が好むショットと他人が良いと感じるショットは全然違う場合が多々ある、ということだ。

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「一番可愛く写っている写真を載せてあげよう！」と選んだつもりでも、本人からしたらワーストショットかもしれない。その場合、「アイツ、私がブスに写ってるやつ載せやがった！」なんて勘違いで小さな恨みを買ってしまう可能性すらある。自分のためにも、本人確認は絶対にしたほうがいい。

しかし、このように強く思っている私でも、このルールを守れないときがある。友達が先に私の写真を確認なしで載せた場合だ。
最近そのケースが発生したのだが、載せられた写真に問題はなかった。その子は写真が上手で、キレイに撮ってくれていた。その写真自体も、遊んでいる時に「めっちゃよく撮れてる！」と私が言ったものだった。

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問題は、私が載せるその子の写真を確認しづらくなってしまったことである。

遊んでいる時、その子が自身が写っている写真に対してコレが一番いいね、などと言っていた記憶はなかった。その子の好みからなんとなく「コレよりはこっちのが好きそうかな……？」という予測は出来るが、先述した通り、他人の視点など信用ならない。

だからと言ってここで私が訊いてしまうと、確認せずに私の写真を載せたことに対して申し訳なさを抱かせてしまうかもしれない。気に入らない写真を載せられたのならまだしも、良いショットを選んでもらっておきながらそんな気持ちにさせるのは忍びない。

とはいえ、その子の写真を載せないというのも、向こうは載せているのだから感じが悪いように思えるし……。

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迷った末、確認せずにその子が気に入っていそうな写真をアップロードすることにした。「この写真で大丈夫だったかな」という不安と、自らのポリシーに反してしまった悔しさを抱えながら。

この一件から、友達の写真をあげる時には解散後すぐに確認のLINEを送ろうと心に決めた。

そこまで気にする人の方が少ないということは分かっている。もはや、自分がモヤモヤしてしまうのが嫌なだけかもしれない。逆に利己的なのかもしれないけれど、今後も出来る限り、このルールは守っていこうと思う。