「好きなことを仕事にしよう」最近この言葉をよく目にする。

社会人4年目。図書館司書として働いてい私は、そろそろ転職したいと思っていた。次はどんな仕事をしようかな。やりたいことがパッと思いつかない…
そんなときに、SNSを何となく眺めていたら見つけた言葉「好きなことを仕事にしよう」

好きなことって何だろう。好きなことを思い返してみる。アイドルが好き、舞台鑑賞が好き、本が好き。読書が好きだから、文章に関わるライターって仕事はどうだろう。ライターという肩書きはどこかカッコよく感じるし。

そこで私は、ライティングを学べるオンラインスクールに入会した。

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エッセイとか自分の思いを書き連ねていくのは楽しかった。それと同時に、SEOライティングといったマーケティング思考が求められる文章に苦手意識があった。
ライターになるって大変なのかな。文章を考えるのは頭をすごい捻って考えないとだから、苦しく感じることもある。でも、だんだんと筆が乗ってきたときの嬉しさ書き上げた瞬間の喜びは、書くのって楽しいなと思わせてくれる。

ライティングのスキルを身につけてから転職しようと決めていた。けれど、その間にも仕事のストレスが溜まっていく。

結局、スキルの習得もそこそこに仕事を辞めた。

さっそくライターの仕事を探してみる。探してみても、いまいちピンと来ない。せっかく学んだのに。これじゃあ、今までの勉強が無駄になってしまうではないか。仕事を決められない焦りと、ライターの仕事に踏み出せないもどかしさに悩まされた。

キャリアチェンジってこんなに勇気がいることなんだな…

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ある日、ハローワークでの仕事探しの後に適性検査というものをしてもらった。どんな職業が自分に合っているのか、質問に答えて分析してくれる。
結果は事務職だった。繰り返しの作業も平気で、的確にできると判断された。前職でも細かい作業が多かったが、難なくこなしていた。

事務職はあまり考えていなかった。ライターになることを目指していたし、学んできたことを活かさなければと思っていたから。

一旦、家に帰って考える。何日も考えた。転職は初めてだったから、失敗したくない。今よりも楽しく働きたい。ライターとして働いている人たちは本当に心から尊敬する。文章を世に届ける素敵な職業。でも向いているのか分からない。

自分は本気でライターになりたいのか。ぐるぐると自問自答を繰り返した。

結局、ライターの仕事を探すのをめて、事務職に切り替えることに。学校事務が気になってきたので、それを中心に探して面接を受けていった。何度も落ちて心が折れそうになったけれど、ようやく内定を貰えた。

私は今、事務職として働いている。ルーティンワークや細かい作業は苦ではなく、もともと自分の持っている強みを活かせている。

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好きなことを仕事にするのもいい。でも、私のように初めから持っているスキルを活かすのもいいんだ。今の仕事が楽しいかと言われたら、正直楽しいと言えないが、心地よく毎日を過ごせていると言える。
ライティングスキルはあまり活かせていないけれど、上司や先生、生徒といった年代がバラバラな人たちとコミュニケーションを取るときには、どうしたら相手に伝わりやすいかと考えて上手く言葉にできるようになった気がする。

ライターも相手に伝えたいことを届けるために考えるので、あのときの学びは無駄じゃなかったんだと思えた。

転職する前の私へ。一歩踏み出してくれてありがとう。

ライティングスキルも、前職で学んだことも全部必要なことだったよ。
これからも自分らしくキャリアを歩んでいこう。