出会いは6年前、冬のカナダ。
語学学校の先生と生徒という関係性で出会った私たち。初めて外国に行った私は、本当に心がいっぱいいっぱいだった。だから鮮明に出会いを覚えているわけではない。

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そして、何気ない語学学校での出会いが、数年経っても尊いものになるなんてつゆも思わなかった。

恩人というか、友人というか。
親友というか。

第三者に彼との関係性を説明しようとするといつも困る。しっくりくる言葉が見つからないのだ。

出会ってから数年が経ったある日、彼は「家族みたいな存在」といってくれた。そっか、家族か。私もそれが1番近い表現なんだろうと思った。

友達という感じでもない。でも先生!!というほど遠くもない。

でも恋愛関係にもなっていない。
そう、家族、ファミリーなのだ。

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カナダに住んでいる彼とは、ずっと遠距離な関係だ。留学していたときだけ同じ場所。普段は違う場所に住んでいて、でも確かに同じ地球にいるということが信じられない。

出会いって奇跡だ。出会いって本当にありがたい。

ずっと遠距離。でも出会ってから6年間、まるで疎遠になっていない。むしろ近距離にいる友人よりもはるかに密に関わっている感覚まである。

不思議だな。どうしてだろう。

彼は日本に訪れる際に必ず連絡をくれた。忙しさのあまりにそれほど時間があるわけでもないのがわかる。それでも会おうとしてくれるのがすごく嬉しくて、どうしてなんだろうとはじめは思っていた。

そのくらい私はいち生徒にすぎず、彼の記憶に残っているとも思わなかったのだ。距離が離れるほどに大切さがわかるってこういうことなのかな?はじめから特別に感じてくれていたのかもしれない。会った回数も少なく年に1回会えたらいい方だったけれど、ひとつひとつの記憶は濃厚だ。ものすごく特別な時間。

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ある時、驚いたのは外で自分からハグをしていたことだ。他の人には自らしない。彼に対してもするつもりはなかった。でも自然と身体が動いたの。自分でもびっくりだった。ここは日本というのはわかっている。それでも再会するとハグをする。

意識もせず、思わずしてしまう。まさに無意識。挨拶のようで、好意を示すようで、何の意味かはわからない。わからなくていい。身体が勝手に動いて、思わず触れたくなったの。そんなこともあるんだな。

日本人の友達ならそんなことはしない。でも、国籍の問題ではなく、彼だからなのだと思う。まさに深い意味などなく、無意識の感覚。それでもハグをすることに尊い何かを感じてしまう。

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そんな彼と今年は一緒に旅をすることになった。グローバルな出会いなだけあって、グローバルな旅になる。

それこそ、ふと思い立って、「一緒にフィンランド行きませんか?」と誘った。
こんな気軽な誘い、なかなかOKしてくれる人はいないと思う。
でも彼の返事は「いいよー」の即答だった。

今からすごく楽しみ。きっとまた身体が思わず動いてハグしたくなるんだろうな。
言葉にならない特別な関係性をこれからも大切に温めたい。