掃除が嫌いだ。なんてったって面倒臭い。まず、掃除ができるように部屋の片付けから始めなければならない。「面倒臭いことを放っておくと、もっと面倒臭くなる。だから、面倒臭いことほど早めに着手する」が私のモットーなのだが、掃除となると話は別だ。己の衛生観念と面倒臭さとのせめぎ合いになるのだが、面倒臭いがいつも優勢。私の衛生観念、頑張ってほしい。

このままでは衛生観念が機能しないので汚部屋まっしぐらになってしまう。そのため、掃除する日を決めた。燃えるゴミの日の前日である。掃除機ではなくワイパーやコロコロに頼っているので、汚れ以上のゴミが出るからである。ゴミはあまり溜めたくないので、我ながら効率的で良いと思っている。掃除機は私自身、音が苦手であるのと、使う時間を選ぶことで所有はしているがほとんど使っていない。また、雑なので掃除機を使っていると家具や壁にぶつけてしまう。家具はさておき、賃貸なので壁など部屋に傷がついたら大変だ。なるべく掃除機は使わないようにしている。

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そんな私と対照的に上に住んでいる人は毎夜毎晩、部屋中を掃除しまくっている。掃除機をかけまくっているのだ。今やそれを勝手に「お掃除フェスティバル」と称して、「あ、フェス始まったわ」などと恋人に話したりしているが、最初は何をしているのか、何の音なのか、全くわからなかった。私が引っ越して来たのは年度末だったため、おそらく仕事が忙しく、帰宅が深夜になったのだろう。ふと、夜中の2時頃に目覚めると、フェスが開催されていて、盛大にビビった。むしろフェスで目覚めていたと思う。時間帯も相まって、何事かわからず、掃除機をかけるゴロゴロという音を腹筋ローラーと勘違いした。毎日筋トレ熱心な人だなと寝ぼけた頭で感心していた。フェスの開催時間が変わり、音をよくよく聴いた。窓を開けたり家具を動かしたりしていて、恐らく掃除だろうという結論に至った。恋人のお墨付きもある。正直、毎日掃除機をかけるという概念がなく、しばらく気がつかなかった。上の人は毎日、掃除しないと気が済まないのだろう。ちなみに上の人とは会ったことはない。

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掃除を「汚れをきれいにする行為」と考えると、皿洗いや洗濯も含まれるのではなかろうか。お皿を洗おうとしても、先に乾いたお皿を片付けるところから始まる。一人暮らしのキッチンの環境なんてたかが知れているので、放っておいてもお皿は永遠に乾かない。片付ける前に拭かなきゃいけない。布巾を100円ショップで揃えたからだろうか、拭いてもあまり水分は取れない。洗濯も同じようなものだ。皿洗いとは違って洗濯機が洗ってはくれるものの、ドラム式洗濯機を置けるような財力もスペースもないので干さなきゃいけない。女性の一人暮らしはベランダに干すものを選ぶため、いつもある程度、部屋で干す場所を確保する必要がある。仕舞っていた部屋干しセットを出すところから始まる時もあれば、前の洗濯物を畳むところから始まる時もある。料理の臭いが付いたり、部屋の見た目がごちゃついたりするので、乾いたら速やかに畳んでしまうのが理想だ。今の所、理想でしかない。

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と、ここまで掃除に関してグダグダ言っていたが、冷静になると、もしかして面倒臭くて嫌いなのは片付けなのではないかと思い始めてきた。皿洗いも洗濯もお皿や洗濯物を片付けることを面倒臭がっている。たしかに汚れたところをきれいにするのは気持ちがいい。達成感もある。なんなら落ちている髪の毛や食べかす(恋人がよくこぼす。やめてほしい)などは視界に入ったら、次の瞬間にはゴミ箱にいるか、コロコロの餌食になっている。私は小さいけど、無意識に習慣的に掃除している。むしろ私は掃除が好きかもしれない。好きと捉えると、積極的に掃除したくなってきた。それではフェスを開催しよう。