最近「ピクニック芋女」や「サイゼで喜ぶ女」など、「芋女」と揶揄するワードをXなどでよく見かけるが、何故人の選択をとやかくいうのかわからない。
他人の生活様式に目くじら立てて、金や物質にモノを言わせた資本主義に染まりきった価値観を露呈して、自分で悲しくならないのか?というか、みんな疲れてるんじゃないのか?目に見えない幸せってものを、そろそろ考えよう。
さて、そんなイライラカリカリした人達に食べて欲しいおすすめの食べ物がある。さつまいもだ。下手な草よりグミよりキマるし気持ちよくなれる。まあ、芋という語感がダサいってんなら無理にはすすめない。
ビタミンB6、カリウム、食物繊維、ビタミンCなどが入っており美容に良い。
特にビタミンB6はトリプトファンがセロトニンをつくる時に欠かせないもので、幸せ感を左右するしつわりにも効果があるとされている。
私はさつまいもが有名な県に生まれ、25年間住んでいる。それなのにいまだにこの県の文化に馴染めない。元の血統が東北だからだろうか。
ここの人々は、みな何かにせき立てられているかのように生き急いでいる。運転手は歩行者にあまり優しくないし、口調が少し強くあらせられ、おっかなびっくりしながら日々生きている。
尊重し合う文化よりかは、どちらかといえば競い合う文化である。
怖いけれど、人情に厚いというか仲間意識が強いというか、そんな人が多い気がする。自分もいずれそうなってゆくのだろう。
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芋で作られたといっても過言ではない私の闘うマイボディ、プレドニンという血糖&血圧を上げる副作用のある副腎皮質ホルモン薬を飲んでいながらも検査上正常値を保てているのは芋のおかげであろう。
私は摂食障害で、拒食状態だった時もなぜか芋だけは食べられた。まるで芋のおばけに取り憑かれたのではないかと思うほど、焼き芋やふかし芋、干し芋などありとあらゆるさつまいも製品を食べ尽くしてきた。
ちなみに一番好きなのは「ドルチェdeほしいも」という黄金色の、まるまると太った丸干しの干し芋だ。芋ようかんのように甘くとろけるように柔らかい。
一時期、芋好きが高じて近くの干し芋製造工場のアルバイトに応募したことがある。「芋が好きで仕方ないから」というふざけた理由なのに、採ってくださった。
だが、周りのおばあちゃん達と世間話をしながら手で芋の皮をたくさん、早く剥かなければならないというのが苦痛で仕方なく、ミスも連発し、2週間ほどでやめてしまった。
せっかく工場長も奥さんも良くしてくださったのに、ああでもないこうでもないという目的のない話をするのが向いていなさすぎて、ものすごくストレスで結局家にいた方が心を削らなくて済むなと思った。
私は不器用でマルチタスクが苦手だ。作業するなら何か一つ、ゆっくり静かで人と話さないで済む環境でないと、集中できない。それか自分の好きな音楽が流れていないとやる気が出ない。そんなぜいたくな環境でお仕事ができる人など一握りだろう。雑音の中でみんな我慢して仕事をしている。
そのため私は生産者側に立てず、消費者のまま息絶えるのかという無力感に苛まれている。文章だけはたくさん生産していて、2ヶ月間で書いたエッセイのストックが20本以上ある。それが果たしてなんの意味があるのかはわからない。
とりあえず現代の清少納言だと思いこむことによって、なんとかやっている。文章を書いている女性あるあるでしょうかね。
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その無力感を消してくれるのがさつまいもなのだ。酒もタバコもギャンブルもせず、ナイトスポットにも行かない馬鹿真面目な私の唯一のガンギマリツールである。
今も手元に紅はるかの干し芋がある。IMO-HOLICのため、雨の中道の駅まで往復5kmかけて歩いてゲトってきた。無免許はつらいよ。
さつまいもは良いよ。甘くて食べると幸せになるし、カリウムがわんさか入っているからむくみ解消にもなるし、GI値という血糖値の上がりやすさの指数のようなものも低いからおすすめ。お腹いっぱい、芋だけでも1000kcal近く食べているのに太らず、44kgを維持している。
糖質制限をしたことがあるけれど、あれを死ぬまでやり続けるのかと思うと辛くて無理だった。それにコスパが悪すぎる。今もたまに低糖質パンを買ったりはするけれど、糖質制限は長期的に見るとリスクが高いようだ。
糖質制限食を食べさせたマウスは普通食を食べさせたマウスよりも老化が早くなり、短命だったという研究報告もあるそうだ。
糖質制限ダイエットでハリのある肌を失うより、美味しく食べてすこやかに笑っていよう。経験則からも、そう思う。私は糖質を抜くと頭の回転が悪くなって、買い物中必要のないものまで買ってしまったりする。
「人体には水と脂質とたんぱく質だけあればよくて、糖質不足などない」とおっしゃる糖質制限派のお医者様方のご意見も散見されるけれど、私のこの身体の仕組みは一体全体どういうわけなのでしょう。
まあ深く考えないで自分の体の反応に従おう。
家族からは、さつまいもばかり食べるので芋女と呼ばれている。シャクな語感ではあるが、事実なのでしゃあなし。
あなたも芋女にならないか?