2023年年末、私は夫の地元で夫婦2人だけの結婚式を挙げた。
誰よりも挙式参列を楽しみにしていた私の母には「結婚式に来ないでほしい」とだけ伝えて、母の意志は聞かず、列席者なしの式を執り行った。
そして今、私は2度目の結婚式の計画をしている。

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2年前に結婚し、半年前に妊娠が分かった。挙式1か月前だった。待望の新しい命を何としても守り抜かねばと考えた私は、結婚式を楽しみにしていた私の母をはじめとした親族に「結婚式には来ないでほしい」と伝えた。結婚式には親族のみ招待する予定だった。

母は挙式半年以上前から黒留袖を予約し、髪を伸ばし、ご近所さんから職場の人まですべてに私の結婚式の予定について自慢していたようだった。

はじめての妊娠は嬉しさより不安の方がよっぽど大きかった。つわりもあった。お腹の命は無事か、毎日心配だった。

ストレスが母体にとって何よりの敵だと聞いた私は、結婚式をゲストなしで実施することに決めた。親族だけの小さな挙式の予定だったが、両家の調整で疲れ切っていた私にとって「結婚式は何よりのストレス」と判断していた。

キャンセルするとキャンセル料がかかる式場だったため、安定期に延期し、招待客には「来ないでくれ」とだけ一方的に連絡して夫婦2人だけの結婚式が決定した。

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それから1か月ほどが経ち、お腹の命は順調に成長し、私はつわりから解放された。妊娠6か月の時に挙式を済ませ、穏やかなマタニティ生活を送っていた。
しかし、日に日に母になるときが近づいた私には、ある後悔が芽生えるようになった。
「私の結婚式、あれで良かったのかな
当時の私は結婚式なんて新郎新婦がやりたくてやるものだとだけ考えていた。挙式なんてしなくても夫婦にはなれるのだから、大した意味はないと心から思っていた。でも、それだけではないと感じるようになった。

娘の花嫁姿は何物にも代えがたい意味があるし、娘が自分の意志で新たな家庭を築こうとする姿は、絶対に目に焼きつけたい瞬間だ。もうすぐ母親になる私は、ようやくそのことに気が付いた。

大事に育ててきた娘から「私の結婚式に来ないでほしい」と言われたらどれだけ悲しいだろうか。楽しみに予約した黒留袖をキャンセルするのはどれだけ苦しかっただろうか。母親になるまであと3か月のころ、私はやっと、自分のしたことの過ちに気が付いたのだ。

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しかし1度実施してしまった結婚式。お金の面でも育児との時間の面でも、2度目の実施は何度も悩んだ。でも、何度考えても「こんな親不孝なことをしたまま母親になっていくのは嫌だ」と思った。そして、2度目の結婚式の実施を決めた。

両親は、やはり式に列席したかったようで、私の提案を心から喜んだ。わが子に対面するまであと1か月。子供中心に生活しなくてはならない母親になる私にとって、このタイミングで大きな出費となる結婚式の実施を決断したことが果たして正しい判断なのかは分からない。

でも、私は親不孝な娘にならないために、自信をもって母親になれるように、2度目の結婚式を達成したいと考えている。