「女の子なんだから、手伝いなさい」
この呪文を父親に何度も言われました。
家にいると、女の子なんだからという理由で、手伝いを強要されることが多かったように思います。
「女の子なんだから」は、父親の口癖になっていたのでしょうか。
当時の私は、問題視なんてしていませんでした。
けれど、大人になった今は、男女差別発言であることがわかります。
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地元では、家でも学校でも、女の子らしさを求められていたように感じます。
学校では、低学年の頃は男の子たちとドッジボールをして遊んでいたのに、高学年になるにつれ、女の子達は一輪車やお絵描きで休み時間を過ごすようになっていきました。
女の子達は、リボンやフリルがついたような服やヒール付きのサンダルを着用するようになっていきました。
私は、リボンやフリルのついた洋服は、女を意識してしまい、気恥ずかしくて、いつも男の子のような洋服を着ていましたが。
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ところで、今年の3月に地元に帰省して、小学校の同級生と会いました。
久々に再会できて嬉しい反面、
「Eちゃんが結婚したらしい」
「Hちゃんは今何しているんだろう?」
そんな話を聞いたときに、EちゃんやHちゃんの話はしなくてもよくない?
と私は思ってしまったのです。
その時、私は、目の前にいるNちゃんにしか興味がなかったのです。
Eちゃんが結婚しようが、Hちゃんが何をしていようが、私とNちゃんには関係なくて、興味がないのです。
もしも興味があったら、私は本人に聞きます。
これは、昔からの私の地元あるあるです。
地元にいる子の大部分は、噂話をすることが当たり前なのです。
もちろんそうでない人もいますが。
噂話をすることが当たり前なのだなと思う出来事がありました。
私が帰省した際、LINEで
「Yちゃんから聞いたよ、帰省したんだって?」
と連絡がきました。
その連絡が来たときに、私は、見張られているようで鳥肌が立ったのです。
ちなみにYちゃんもこの連絡をしてくれた子も悪気はありません。
しかし、私は誰にも帰省したことを友達に伝えていないのに、いつの間にか帰省したことが広まっていることに関して、いい気持ちではいられませんでした。
なぜ直接本人に聞かないのか?
なぜその場にいない人物の話をしたがるのか?
私は、地元のそんなところが苦手です。
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そんな地元の苦手なところがわかったのは、都会に出てきてからです。
もしも、ずっと地元に住んでいたら、職場の知り合いと、ばったりスーパーで会った時、話しかけられることは普通になっていたでしょう。
どこに誰と一緒にいたかなんて、すぐ広まるだろうし、誰がどんな仕事をしていて、どこに勤めているか、みんな知っているものだと思っていたかもしれません。
都会よ、私にプライベートを教えてくれてありがとうございます。
私は、どうやら自分時間も大切にする、いっけん冷たいようにも感じる都会が居心地がいいようです。
どこにいても、誰といても、何も言われないせかい。
今は、それが、私のちょうどいい暮らしです。