私は幸せだ。日々の生活に満足しているし、幸せだなあと感じる心の余裕もある。

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20代前半は販売員として働いたけど、低賃金で生活のやりくりに苦労した。日々の生活を改善すべく、転職したり住む場所を変えたりして状況は少し良くなったけど、いつもお金の心配が消えなかった。

習い事でフラダンスにのめり込むも、ありのままの自分では不十分で、自分ではない誰かにならないといけない感覚があった。どこにいったら、私は必要とされるんだろう?と居場所を探していた。

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一念発起し、ハワイ島移住を決心した30歳。
出発前は不安に襲われたけど、到着してすぐに迷いはなくなった。

とにかく居心地がよかった。

とんとん拍子に、フラダンサーの夢の舞台に立ち、恋人も見つかり結婚、永住権取得とともに子どもも授かった。
日本で呪縛のごとくのしかかっていた金銭の心配は、いつの間にかなくなっていた(これに関しては、夫が家計を支えてくれているだけの話ではあるが……)。

ありのままの自分に一定の価値を置いてもらえているし、私はここに居ていいんだなと感じている。経済的、精神的、肉体的に今の私は満ち足りている。

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昨年、実家の手伝いで4ヶ月ほど日本に滞在した。日本では息子を保育園に預けることができ、久しぶりに手があいた。
ぽっかりとあいた時間を友達が埋めてくれたけど、毎日のように会えるほど、みんな暇じゃなかった。なにかコミュニティに属したいと漠然と思っていた矢先、オンラインスクールに出会った。

そのスクールはITスキルの講座が主軸だが、スキル以外にも自分のキャリアについて内省する講座もあった。
以前から、いつかは働きたいと思っていたけど、すでに今の生活に満足していたから動き出す理由もなかった。それに、働き出すのは子どもが手を離れる、少し先の未来だとも思っていた。

しかし、内省の時間は、自分の立ち位置と気持ちを浮き彫りにしてくれた。

子どもが生まれてから、気持ち的な変化はないつもりでいた。だって、フラダンスも続けていたし、子どもを置いての1人時間も定期的に楽しんでいたから。
だけど、自分の人生を単体として見ていないことにハッとした。妻であり、母である私は、家族のバランスを優先して自分のキャリアを後回しにしていた。
自分にとってストレスがなく、家庭が穏やかでいられるように、常に余力を残せるような安全な道を選んでいたのだ。

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この気づきが、私を3ミリ変えてくれた。

韓国ドラマやYouTubeを見てなんとなく過ごしていた時間を、自分の未来のために使うようになった。ママ友とのおしゃべりも息抜きになるけど、キャリアについて話せる新しい仲間から刺激をもらうようになった。

スクールを通して出会った人たち、異業種に挑戦したり、自分のサービスを立ち上げたりと邁進しているけど、犠牲を払っている感じはない。
家庭と仕事のバランスを取りながらも、自分の興味関心に素直に従って進む姿は生き生きとしている。

私も勉強に使う時間が増えて、余力はなくなっている気がするのに、意欲的な「知りたい」「やってみたい」という気持ちは新しいパワーを生み出してくれているから不思議。
いつの間にか、妻や母という名前の後ろに自分を隠さず、「一個人としての自分の人生を大切にしていい」という思いが芽生えていたりする。

直近の目標は「キャリア再構築の土台をひたすら耕す」こと。

3ミリ新しい私になってから半年経つが、ぶっちゃけ現状は変わっていない。だけど、少し先の自分の人生を輝かせるために今を生きている実感がある。
嬉しいのは、胸を張って少し大股で闊歩しているような清々しい気持ちがいつもここにあることだ。

周りから見たら誰も気がつかない変化だけど、小さな気づきで視界はこんなに変わっていくのである。この新しい私を積み重ねて作り出す、これからの人生をゆっくりと楽しんでいこうと思う。