幼稚園の時からずっと女子校で、校則も厳しい一貫校だった高校生になっても、帰り道は寄り道禁止で、お化粧なども禁止されていた。

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昔の写真をみると、どれもが黒髪のストレート、すっぴん姿。
あまりに何もしなかったので、幸い髪や肌は傷んでいなく、つやつやだったりする。でも、さすがに社会人になると、ファッションの「流行り」というものに自分ものっかりたくなった。

黒髪ストレートの清楚系女子は、たしかに人気がある。でも、もう大人で自分で稼げるようになったのだから、すこしコンサバの見た目を脱してみたい——と思うようになった。

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初めて髪を染めてみたら、周りからは意外と好評だった。やっぱり、髪が明るい方が、垢抜けてると言われるようになった。

周りがそんなに言うのだから、確かにそうなのかもしれないが、そんな反面、自分の中では少し違和感があった。

「チャラく見える……」

やっぱり、黒髪に戻したい。いつしか、そんな風に思うようになった。

メイクやファッションもそう。なんだか、気分転換に新しく変えたくなるのだが、一定期間がすぎると、やはり元の清楚で品のある自分に戻りたくなる。

メイクやファッション、若手の髪のカラーなんて、ほとんどが嗜好品で、お金をかけるわりには、実は何もしなかったの時の方が、地肌の痛みが少なくて済んだりする。
そんな風に、気分転換で新しいメイクや髪色にしたくなっても、結局、足元をみてしまい、「やっぱり何もしないでいた方が、いいな」と黒髪のままである。

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最近、何のために働いて、何のためにお金を使うのかを考える機会が増えるようになった。

今までは、東京で営業の仕事で稼いだら稼いだ分だけ、百貨店に行って、コスメなどに散財していた。
正直、お金には困っていなかったので、好きなだけちょっと値の張った料理店にいき、好きなだけ好きなものを食べたりしていた。すると、当然太る。そうなってくると今度はそれを必死でメイクで隠そうとし、またコスメにお金をかけ…そんな消費的な生活をぐるぐる送っていた。

ただ、転職して地方に来て、いままでのような給与体系でなくなると、必然と自分の収支も変わってくる。
そして、地方では、「おしゃれしたい」「あのコスメを試したい」「あの服を着たい」というような、ファッションに関する憧れが生まれにくい——と実感している。

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今いる地域で、下手にブランドの洋服など来て歩いていたら、「なんだあの人?」と、まるで外国人かのような眼差しで、町中、色々な人に凝視される。

地方では、むしろお洒落をしたくない。代わりに、丁寧な生活をして、地肌を整えたり、適度に運動して体型維持をしたいと思うようになった。

そこからは、私は遊びや嗜好品に対して、これまでのようには散財をしなくなった。

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最近は、東京に戻って仕事をすることも多い。

目指しているのは、東京という消費的な街、誘惑の沢山ある街、どことなく承認欲求の街にいながら、地方での生活のように、シンプルに自分の本当に大切なものにお金や時間をかけ、でも気後れしない程度のビジュアルでい続けることだ。

そんな、地方と東京のハイブリッドのライフスタイルを維持しながら、やっぱり捨てたくないビジュアルというものを、自分なりに追求していきたい。