ことしのパリオリンピックでダンススポーツのブレイキンが競技になるそうで、私は見るのを楽しみにしている。自宅にテレビがないのだが、オリンピックとパラリンピックが見たいがために先日NHK+とhuluに登録した。

私は前回、この「かがみよかがみ」に投稿した「夏にやりたいこと」のエッセイで、大学時代から昨年までの約8年間で、やっぱり私は踊るべきなんだといまさらながら気が付いた、と書いた。これからもっとダンスにかかわっていきたい自分にとって、ブレイキンがオリンピック種目になったことは、ダンスというフィルターを通じて、スポーツとの距離がいままでより縮まっていると感じている。

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幼稚園の時は広い敷地の園庭で毎日走り回っていたし、小学生の時は、水泳やバレエを習っていた学校の休み時間は”かたき”というドッヂボールに似た球技を楽しみ、放課後は、学童のお姉さんとマンツーマンで一輪車の練習をしたりしていた。中学の時は硬式テニス部だった。運動会ではリレー選手だったこともある。高校はスポーツに力を入れている学校だったため、スポーツが得意な人が多かった。

その中で私は合唱部で、学校では文化系として通っていたが、テニスやサッカー(特にヨーロッパリーグや日本代表の試合、ワールドカップ)の試合結果などを新聞で追っかけ、よく見ていた。また受験シーズンと夏季オリンピック、箱根駅伝が被ったとき、私は勉強そっちのけでテレビの中継を見ていた。

そのせいもあってか、受験という受験で第一希望の学校に入れたことは一度もなかった。後悔はあるが、スポーツ見るのも楽しかったから、もうあまり振り返らないでおきたい!!

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大学に入ると高校時代の大人しさを回収するかのように色んな運動を楽しんだ。ハワイのフラを始めたり、しまなみ海道サイクリングや北海道でスキーをしたり、富士山や高尾山に登ったり、ホノルルマラソンに参加したりした。

また大学の事務局でグローブとバドミントンのラケットの貸し出しがされており、よく空きコマにキャッチボールやバドミントンをしていた。

どれもなにもプロを目指すとかそういうレベルでもなく、ダイエット目的でもなく、また長続きもしていなく、ただただ純粋にスポーツを楽しんでいた。

一方で、私はビジネスの現場などでよく言われる、スポーツ経験が仕事に役立つといった類の話が苦手だ。例えば、2019年の流行語大賞になったラグビー日本代表の活躍を評価した言葉、「ONE TEAM」である。

ちょうどそのころ、私は大学4年で、卒業間際まで就活をしていた。本当に就活は苦痛だった。必死になって「ガクチカ」や「志望動機」をこんな人に出会ってこんな経験して……とひねり出していたところに、「ONE TEAM!!」とメディアで言われているのが当時の自分の状況とあまりにも合わなく、むかむかしていた。ONE TEAMで何かを成し遂げたことって私にはないんだけど?といった感じで。

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今になってみれば、なぜ就活が長引いたのか分かる気がする。ひとつにスポーツ、特にバスケットボールなどのチームワークが必要とされる競技を本格的にやってこなかったこともある。また、中学時代に戻るが、放課後はテニスをしていた半面、教室では休み時間の友達との距離のつかみ方がわからず、実は本ばかり読んでいた。今思うと不思議な気もするが、学校の中で読書と個人スポーツに打ち込む2人の自分がいたように思う。

最初の就活で失敗したことが、現在まで尾を引いている。組織やグループなどにいまだうまくなじめない。

なじめないならなじめないなりに、最近は個人としての好き・得意を活かしていきたいと思っている。スポーツは観るのもするのも好きであり、とりわけダンスは、アート的視点で携わっていきたいと思っている。やはり競技や作品を観て自分の観察と踊りの技術を上げることに尽きるのだろう。

というわけで、ブレイキン、楽しみです!!